ほんもんぶつりゅうしゅう

仏教用語・信行用語

ごほうもん
御法門
「御法門(ごほうもん)」とは、世間でいうお説教とか法話と同じようなものですが、当宗の教務が説くその話の内容は、御題目の「ご信心の道」を教えるものです。

 「法」とは仏さまの教え、「門」とはその入り口のことです。つまり御法門とは、ご信心の世界へ入らせ、「ご利益を頂く」ための道を歩ませるためのものなのです。

 何事もその物差しとなる指針や哲学がないと、その道を学び極めようと思っても、なかなか上手くいかないものです。ご信心の道も同様に、その道しるべがないければ、迷わずに成仏というゴールへたどり着くことはできません。その道しるべが、いわば御法門なのです。

 ご信心と御法門は、切っても切り離すことのできないものです。信心の在り方・仕方は御法門を聴聞してこそ分かっていくものです。お寺に参詣しても、お講に参詣しても、およそご信者が集まる処には必ずといってよいほど御法門が説かれます。この御法門を聴聞させていただくことによって、正しい信心の道を知るのです。功徳を積み、ご利益をいただくための道は、御法門を素直に心に納め、身に行うことによって開かれていくのです。

 そういう意味で、御法門は聞く信者にとってとても大事なものですが、説く側の教務にとってもとても責任重大なものなのです。そこで教務は一生を通じて御法門を学び、研鑽し、その御法門を通じて御題目の御弘通(ごぐずう=布教)に日夜励むのです。

 法華経には次の四文字が示されてあります。
 「聞法信受〔法を聞き信じ受けよ〕」
ご信心とは、まずは御法門を聞き、それを素直に信じ、心に留め、実行することから始まるのです。

 そんなご信心の仕方を教わる御法門……そのお話の中で特によく耳にするのが「教化」と「お折伏」の2つの言葉です。佛立宗では、これらが口唱行と併せてとても大事な修行となるからです。それではつぎに、その教化と折伏の大事さについて見ていきましょう。
関連する語句
きょうけ
教化
 「教導転化」の意で、人々を教え導き、正しい教えに帰依させること。  教化には「教え導き育て上げる」意味も含まれているので、当宗では宗外者を入信させることを教化と称しているが、本来は教務が信徒に法を説くことも、教化親が教化子を育成することも、親が子に法灯相続させるよう努力することもすべて広義の「教化」である。
しゃくぶく
折伏
 折伏の語義は「破折屈伏」という。「折」は破邪の意で、間違った考え方をうち破ること。「伏」は顕正の意で、正しい道に帰伏せしめ、導き従わせることをいう。末法は方便権教の教えに執着している諸宗の誤りを指摘する必要と、未下種の凡夫に妙法を持たしめる必要から折伏行を重視するが、折伏はあくまで慈悲の表われであることを弁えなければならない。