ほんもんぶつりゅうしゅう

2016-03-01 08:22

No.417 「太田さんの起死回生」

No.417 平成28年3月1日 清現寺通信 3月号(第1面)

 

「太田さんの起死回生」     信良

寒参詣もまだ明けぬ一月二十二日、和歌山

県新宮・勝浦の両寺の住職 田村道修尊師が

遷化された。まだ五十七歳だったが、私の京

都佛立教育専門学校での同窓で、以来三十年

来の親しい友人であった。二十五日の葬儀に

参詣して帰ると、管理人の太田穣さんが倒れ

たという。

 二十五日昼頃から腹部が痛い、と奥さんに

云っていたが、そのまま翌日の寒修行のご供

養のお米を研いでいた。その途中でどうしよ

うもなくなり、事務所の江口さんの処へ来て

タクシーを呼んでくれ、病院へ行くから、と

云う。救急車を呼んだ方がいい、とのことで

救急車で鶴見済生会病院に行くが、患者が多

くて診察もできない状態だ、とのこと。すぐ

救急車が受け入れ先を探して、都島の医療セ

ンターへ入院できた。

 CTを撮ると、心臓からの大動脈に瘤がで

きており、その一部が破裂したのだというこ

と。すぐにステントという止血の器具を太股

の付け根の血管から入れる緊急手術を受ける。

この時点で、自分から病院へ来る人は稀で、

九十七%位は、大動脈瘤が破裂した時に死亡

するそうだ。

 太田さんは、随分大きな瘤があり、それが

破裂したにもかかわらず、不思議なことにそ

の破裂部分を他の臓器が押さえつけるように

なっていたので、一時に大出血をおこさなか

った由。

 その後、やはり開胸手術をして動脈瘤を取

り除く手術を受け、現在はその回復を待って

いる状況だという。

 自分で具合が悪いと救急車を呼んだこと。

済生会が一杯でも、すぐに都島医療センター

に行けたこと。瘤の破裂部分を他の臓器が覆

って大量出血にならなかったこと、等々、数

々のお計らいをいただいて死地を免れたこと

を心から随喜する。

 これも、日頃からの太田さんの親切なご奉

公、家族のご信心の賜物と、皆さんの熱いお

助行のお蔭と感謝する次第です。一日も早い

ご奉公復帰を祈念します。