ほんもんぶつりゅうしゅう

2021-06-07 15:30

6月7日の「毎日ぶっきょう」

3年前、IKEA(スウェーデン発祥の家具量販店)が興味深い動画をアップしました。全く同じ条件で育てている観葉植物を2つ用意して、それぞれに言葉をかける実験です。1つには「あなたのおかげで世界が変わるわ」「君はとても美しい」といった《優しい言葉》、もう1つには「あなたがいるのは間違い」「役立たず」といった《意地悪な言葉》をかけました。それを1ヶ月続けたところ、当初は同じように見えた2つの植物に大きな違いが生まれたのです。《優しい言葉》をかけた方は元気に育ち、《意地悪な言葉》をかけた方は無惨な姿になってしまいました。

 

これに対して「植物が人の言葉を理解するのか?」「やらせじゃないのか?」というコメントもありましたが、実験結果は紛れもない事実であり《意地悪な言葉》が植物に何かしらの影響を与えたと考えるのが自然です。ただ、植物が人間と同じように《意地悪な言葉》を理解して、ストレスを感じたとは言い切れないでしょう。その点、日本では昔から「言霊(ことだま)」といって、言葉そのものに何かを変える力があるとされてきました。つまり、重要なことは人間と同様に植物も言葉が理解できるのか、できないのかという点なのではなくて、言葉が持つ力そのものが植物にも及ぶかどうか、そういう性質が植物にも備わっているのか、ということです。

 

この問いに対して「植物にも言葉を受け止める性質が備わっている」と答えられるのが法華経で説かれる教え。その教えを簡単に説明することはできませんが、あえて挑戦的に一言で言ってしまうのなら「金太郎飴」です。宇宙全体の断面も、太陽系の断面も、地球の断面、人間の断面、細胞の断面も、実は金太郎飴みたいに一緒。つまり、それぞれが全く異質の存在なのではなくて、同じ性質を持っている存在だということを意味しています。よって、人間と植物(物質)とでは違いもありますが、言葉を受け止めるという点においては同様だということ。そう思うと「物を大切にする」「物に感謝する」というのは、実に理にかなった教育だということです。

 

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