ほんもんぶつりゅうしゅう
2014年03月12日
門祖550回御遠諱記念大法要の本山参詣で頂いたご利益
第5支庁 土浦・本門寺 松澤宏明さん
 
 私がご信心をさせていただくようになったのは、大学の友人がキッカケでした。今から四年ほど前、大学二年生の時に自分の悩みを相談した大学の友達が本門寺の青年会のご信者でした。相談をしてみると、友達は「今すぐお寺に行こう」と言い出し、お寺がどういうところかという説明もないまま、ムリヤリ連れて来られたのが最初でした。それ以来、御住職とご信者さんに色々助けていただいたこと、そしてお寺に来て今までの悩み事が不思議と解決したことでご信心をさせていただこうと決め、入信証をお出しして現在に至ります。本日は、昨年四月の門祖日隆聖人五五〇回御遠諱記念大法要・本山参詣でいただいたご利益をご披露させていただきます。
 
 おととしの十一月頃、私はお寺の近くにある福祉系の大学に通う四年生で、就職活動の真最中でした。しかし、いろいろと戸惑って就職活動のスタートが遅れてしまい、友達が次々と内定をもらう中、私は何も決まっていないという状況でした。加えて、親が私の就職活動に全く関心を示さず、援助もほとんどなかったので、就職活動に使えるお金もほとんど持っていませんでした。財布の中に百円入っていれば喜んだくらいです。そのような状況でしたので、本当に就職できるのか不安でしたし「絶対に就職できない」と思ってイヤになることも多々ありました。
 
 「これ以上はどうにもならない」と思い詰めた私はお寺に行き、思い切って御住職や御講師、先輩ご信者方に相談しました。お寺で相談した皆さんが親身になって助言をしてくださる上に、就職活動に必要な物品を提供してくださるなど、沢山の支援をいただいたお陰で就職活動がスムーズに出来るようになりました。そして、御住職は私に信心面の改良をお折伏してくださり、今まで以上にお寺へのお参詣を徹底し、御題目をお唱えするようにとご指導をいただきました。
 
 その中での話ですが、おととしの十一月頃、御講師と青年会の市川裕実子さんに、就職活動の仕方をアドバイスしてほしいと思って相談に行きました。その際、御講師から「今、松澤君がかなえたい望みは何ですか?」という質問を受けました。そのとき私は
 
1)就職する
2)一人暮らしをする
3)新しいスクーターが欲しい
 
という三つを挙げました。それを聞いた御講師は、翌年四月に本山で門祖五五〇記念大法要参詣があることをお話され「これからは、就職する目的を『四月に本山へお参詣する費用を作るため』として、必ず本山へお参詣させていただくと決定した上で就職活動をしましょう。今はお金がなくても、本山参詣のために就職することを目指せば、それまでに必ず裕福になります」と教えてくださいました。そして、本山へのお参詣を成就できれば、ひとり暮らしをすることも、新しいスクーターを買うことも、ご利益をいただいて必ず実現できると教えてくださいました。私は御住職と御講師に教えていただいた通り、まずは普段のお寺参詣を改良し、そして翌年四月に必ず本山へお参詣することを固く決心して就職活動を再開しました。
 
 その後間もなく、機会があって福祉関係の就職説明会に出席しました。そこで出会ったのは、本門寺のご信者、高橋和子さんが入居する高齢者用マンション「かがやきの郷」の社員さんでした。実は、以前に別の説明会で一度だけお会いしたことがあり、社員さんは私のことを覚えていてくれたのです。そのことをお寺で高橋さんにお話しすると、高橋さんは早速、社員さんと会い「松澤君のことはお寺で責任を持って教育し、社員にふさわしい人間にしてみせますので、よろしくお願いします」とお話してくださったそうです。高橋さんが熱心に後押しをしてくださっていたことを知り、本当に嬉しく思いました。
 
 この出来事が縁となって、かがやきの郷への就職活動が始まり、施設の見学や職場体験をさせていただけるようになりました。そして寒参詣の時期になり、御住職から御法門を一回でも多く聴聞させていただくように教えていただき、その通りにさせていただきました。そして、一月末にかがやきの郷の入社試験に挑んだ結果、見事に合格することができました。しかも、かがやきの郷は中途採用しかしないことで有名なのですが、私が初めて新卒での採用者になったのです。就職活動のスタートが凄く遅かった私が、大学を卒業する前に就職が決まるのは本当に夢のようでした。
 
 しかし、心配事が一つありました。このまま入社が決まり、四月から働き始めても、初めてお給料をいただくのは五月になります。本山記念参詣は四月二十七日ですから、初めてのお給料で本山参詣の費用を出すことができないのです。「入社するまではどこかでアルバイトをしなければいけない。これからアルバイト先を探すのはひと苦労だな」と思っていました。
 
 そのように思いながら、入社のための書類をいただきにかがやきの郷へ行くと、社員さんより突然「二月から四月の入社まではパートで雇います。見習いとして働いてください」というお話がありました。思ってもいなかったありがたい申し出に「本当か」と耳を疑いました。このパートのお給料で「四月の本山参詣の費用を出すことができる」と本当に喜びました。
 
 そして、パートを経て四月一日に無事に入社、四月二十七日の本山記念参詣も無事にお参詣できました。また、七月一日には試用期間を終えて正規雇用へと切り替わりました。そして、就職以外の望みである一人暮らしと、スクーターを購入することも、昨年九月に達成しました。今はお寺から歩いて三分のところにあるアパートに住んでいますが、実家に住んでいたときはお寺まで自転車で一時間、職場まではお寺からさらに三十分かかりました。実家は交通の便が悪く、バスもほとんどありませんし車も持っていませんので、移動手段は自転車しかありませんでした。そのような環境が、今ではアパートから職場へスクーターに乗って十分で行けるようになりました。また、引っ越しの際には御住職にお越しいただき、御弘通御本尊を奉安していただきました。御講席も、青年会の会長さんのお席に添講でご奉公させていただいています。
 
 この一人暮らしを決めたときも不思議なことが沢山ありました。そのひとつに、一人暮らしをすることを決めた後、親にその承諾を貰おうと話をすると、就職活動も含めてこれまで何も援助をしてくれなかった両親が突然、預金通帳を何通か差し出しました。そして「貴方のために貯めていたお金だから自由に使いなさい」と言って私にくれたのです。通帳を確認したら、驚くほどの金額が記載されていました。私はこの通帳をありがたくいただき、このお金を基に一人暮らしの準備することができました。
 
 今まで就職活動などで金銭的なサポートをしてもらえなかった親から引っ越しの費用をもらえるなんて全く思ってもいませんでしたし、何よりもこのとき初めて親の大切さを痛感しました。学生時代の私は、親から就職活動の支援をしてもらえず、その上にアルバイトをすることも禁止されていました。本当にお金がなく、就職活動も遅れていことから今の状況を思うと、無事に就職して仕事ができ、お金に困ることもなく生活できているのは、本当に御宝前のご利益のお陰、お寺の皆様のおかげです。
 
 そして何よりも大事だと痛感したのは、御住職や御講師、ご信者皆さんに教えていただいた通りに実行することです。日常のお寺参詣も、本山へのお参詣も、自分に出来るのかどうか不安はありました。しかし、実行すればご利益をいただけると教えていただいているのですから、するかしないかに悩んでご奉公を躊躇するのは時間が勿体ないと思います。
 
 どうぞ皆さんも、今年十月に本山の当番参詣がありますので、どのような状況でもまずは「本山へ行く」と決定して、お寺参詣を欠かさず、その上で自分の生活を送ってみてください。仕事も生活も絶対にうまくいきます。一人でも多くの方が十月に本山へお参詣され、ご利益をいただくことを願っています。本門寺では既に参詣の募集が始まっていますので、私は真っ先に申込みをさせていただきました。