ほんもんぶつりゅうしゅう
2014年11月01日
一人の人間という小さな殻を、御題目の力で突き破る
 広大な砂丘を誇る静岡県・浜松市の中田島海岸。その美しい砂紋と眼前に広がる大海原は、どこかいつも暖かく、人の心に穏やかさを与えてくれる。その潮風の香りに包まれる場所に、丸山日印御住職の正晨寺は位置する。そのご子息である研二郎さんは福祉施設で働く傍ら、ミュージシャンとしても活躍されている。今回は、佛立信者という側面から研二郎さんという人間にスポットをあて、お話を伺った。

——佛立宗のご信心をはじめられたきっかけを教えて下さい。

 信心一家の家庭に生まれ、しかも父と兄が佛立宗の教務(僧侶)ですから、幼い頃から自然と御題目とともに育ってきたような気がします。
 

——これまでのどんなご利益を頂きましたか?

 20代後半の頃ですが、当時付き合っていた女性が仕事や生活のストレスが原因で精神的な病を患いました。なんとか助けてあげたいと思いできる限りのことはしたのですが、その彼女といっしょにいるうちに自分までもが精神的に苦しむようになってしまったのです。
 
 二人の人間関係も悪化し始め、とうとう彼女との関係はそのまま終わってしまいました。自分には彼女を助けてあげられなかった、見捨ててしまった、そんな罪悪感を自ら背負うようになりました。せめてもの償いにと、彼女の病が治るよう、御法様におすがりし、一生懸命御題目をお唱えしようと思いました。この時に初めて、純粋な信仰への思いが心の底に芽生えた気がします。
 
 それからすぐに、現在自分の住んでいる静岡市で朝参詣に励みました。紆余曲折ありましたが現在では彼女の病は見事に治り、立ち直ってくれているようです。自分の心も段々と健康になり、やはり御法様の力、御題目の力は凄いなあと、あらためて教えていただきました。
 
 あともう一つ、ちょっとお恥ずかしい話なのですが……今の奥さんと初めて知り合った時、彼女がなかなか僕に振り向いてくれませんでした(笑)。やはりこの時も、再度御法様におすがりしようと思いました。そしてこれも見事にお応えくださり、結婚にまで至ったのです。
 
 後から分かったことなのですが、実は奥さんのおじいさんにあたる方は佛立宗のお教務さんだったのです。こんな縁もあるものなんだなあと、本当に驚かされました。
 

——研二郎さんにとって佛立宗のご信心とは? 

 信心一家の家庭に生まれていますので、あまりに御題目の存在が普通すぎて正直一言で「何か」と表現することは難しいですね。ただ、幼少のころからずっとお寺で育ったお陰で、ご信者さんたちの暖かさ、優しさに包まれてここまで成長できたんだと、とても感謝しています。いつもお寺で仏様の教えを聞いている人たちに育てられたわけですから、「人としてこうあるべき」みたいなことが自然とその人たちの姿から学ばせてもらったと思います。ですから、ご信心とは人としての在り方を学ばせていただくものなのかもしれませんね。
 

——ご信者としてのこれからの目標などありますか?

 もちろん、この御題目に僕は助けていただきましたから、世の中のたくさんの人にもその存在を知ってもらえるよう、音楽活動、あるいは他の方法を通じて貢献していきたいと思っています。
 

——まだこのご信心にお出値いされていない方々へのメッセージを

 人生を生きていると、自分の力だけでは解決出来ないことがとても多いと思います。人の知識、能力には限界があり、その「小さな殻」のなかに閉じこもって悩んでいても、答えが見つかるとは限りません。その殻を御題目の力で突き破って、目の前の困難を乗り越えるための答えを導き出してもらう——これで何事も上手く行くんだということを、世のなかの皆さんには是非知っていただきたいです。
 
 実際、自分自身も一人の人間としての無力さを痛感したときに、心から御法様におすがりし、御題目をお唱えし、見事に助けていただきました。自分がかつて叶えていただいた願いは、誰もが一度は心に懐いたことのある素朴な願いです。一人でも多くの方に、この素晴らしい仏様のみ教えに触れていただきたいですね。
 

 〔音楽を始めたきっかけ〕

 研二郎さんは、高校生の時に兄の照遠師から世界中の音楽をたくさん聴かせてもらったのだとか。ギターまで譲ってもらい、それから本格的に音楽というものに興味を持ち始めたそうです。
 

〔音楽活動〕

 自ら作詞・作曲・演奏・ヴォーカルを行う研二郎さん。福祉施設で働く傍ら、その施設での企画コンサートを自ら手がけ、市民ダンサーによる公演への楽曲提供、各地でのコンサートと活発に活動されています。
 
 やはりお寺で育ったということもり、ご自身の曲にはどこか仏教の輪廻思想のようなものが根底に存在するとのこと。「人の魂は生まれ変わる」「人生は一度きりのものではない」といった観点から、長い目で見た、人の生き方をプラスへと好転させる音楽を目指しているそうです。曲を聴いた人から「気持ちが軽くなった」「明日からまた頑張ろうと思えた」などと言ってもらえると何より嬉しいとのこと。今後の目標は、この好きな音楽を通じ、自然・人としての在り方を表現していきたいそうです。
 
 

丸山研二郎オフィシャルWEBサイト

 
 
林道のレクイエム / 丸山研二郎
 
 
 Egretta Alba / 丸山研二郎