ほんもんぶつりゅうしゅう
2014年08月21日
孫の法灯相続
第4支庁 鎌倉・顕証寺 山本トミさん
 
 
 孫の誠也の事をお話しさせていただきます。
 
 一緒に住んでいて、とても気持ちの優しい子で夜、孫たち二人共私の部屋へ来て、テレビを見たり宿題をしたり、又、いろいろ学校の話をしております。誠也が今年の一月に、「おばあちゃん、子供でも、お父さんの様な懐中御本尊がもらえるかなぁ?」といいますので「大事な御本尊様なのだから大切にしてお看経の出来る人であれば頂けるよ。誠也欲しいの?」と聞きますと「うん」「それなら自分で懐中御本尊下附願、冥加料、山本誠也と筆で書きな、ご住職にお願いしてあげるから」と云いますと、自分の小遣いからお包みして「おばあちゃん、お願いします」との事。ご住職が「誠也くん、学校へ行くんだからロケット御本尊がいいよ、僕が二月に本山へ行くから頂いて来てあげる」とおっしゃって下さいました。とても喜んで楽しみにしておりました。
 
 家の御宝前に主人のロケット御本尊がありましたので、「新しい御本尊が頂ける迄、これをお伴してな」と持たせておりました。毎日家に帰ると、きちっと、御宝前の小さな御三方にお返ししてお看経を一緒にしていました。
 
 三月六日特別朝参詣の日、御本尊が頂けるとの事、お参詣して本人がご住職から直接頂く様、話しました。当日は朝早く起き私と朝参詣させて頂き、皆さんの居る前でご住職から頂きました。本人はピカピカ光ったロケット御本尊、こわごわ中を開けて見ていました。山本誠也と立派に書かれた御本尊をうれしいそうに首にかけました。その姿を見て胸が一ぱいになりました。
 
 毎日家に帰ると柔らかい布で丁寧にふいています。二、三日過ぎた頃御本尊に傷がつくと困るから何か袋を作ってくれといいます。気持ちがわかるので、すぐ袋を作ってやりました。「おばあちゃん、ありがとう。」といって毎日大切に扱っています。「誠也、御本尊に一番大事な事はね、お腹がすいていてはいくら誠也が困って助けて下さいといっても、力が出ないのよ、御本尊様のご飯は御題目なんだよ、朝夕のお看経の時には、御宝前におまつりして、御題目が沢山あがる様にしないとね。」又、「道を歩いている時でも胸にお伴しているんだから、御題目を唱えられるよね。御本尊様がお腹いっぱいで、いてくれる様にね」と教えました。塾等で良い成績を取り賞状を頂いて来た時等、私にうれしそうに見せてくれます。早速、御宝前にお供えし、お礼言上させて頂きます。「何で?」と聞きますので、「毎日ご住職が山本誠也、学業成就之御願と言上して下さっているでしょう、だからおかげ様でこんな立派な賞をもらえたのよ、ありがとうございます、と御宝前にお礼申し上げるのよ」と教えています。
 
 でも、まだまだ子供ですよね、この間、お彼岸の塔婆の申込を書いている時、そばにいて、「これおじいちゃん、これ植木のおじいちゃん。これいっちゃんの」と話し乍ら書いていました。「おばあちゃんは何て云うの?」と聞くのです。びっくりするやら、笑い乍ら「戒名は死んだ人のあの世の名前なの。亡くなった時、ご住職がつけて下さるものなのよ。其の人が一生懸命、ご信心をした人には良い戒名を下さるの、だからおばあちゃんも一生懸命、御奉公しないと、と思っているの、良い戒名を頂きたいものね。」「じゃあ僕は法鼓しているから少しはいいかな」と。「その位じゃあ、どうかなー」と笑いました。まだまだ子供です。
 
 これから先大きくなって、御法のお役に立つ信者に育ってくれる様、このまま続けていかれるのか少し心配ですが、お看経をたまにさぼると「御本尊様、お腹すいてるよ」と云うと、「ああ、可哀想だね」と笑っています。拍子木、法鼓と子供ながら大人に混じってさせて頂いている姿を見て本当にうれしいです。「おばあちゃんがいなくなったら、誠也が毎日お看経してくれるよね?じゃないとおじいちゃんの処へ行けないから頼むね」と云うと笑っています。可愛い孫です。このまま大きくなってくれる様、祈っています。ありがとうございます。
 
 
平成24年7月発表