ほんもんぶつりゅうしゅう
2017年08月01日
心からの決定が最も大切と再認識 自分からの意見を押し付けず誰にでも話を 第4支庁 妙深寺 小泉 博
ありがとうございます。
横浜・妙深寺の小泉博と申します。この度、お教化10戸を達成させていただき、また、その体験談を佛立新聞にて発表させていただくというご奉公をいただきましたので、僭越ではございますが、思いつくままにご披露させていただきます。
 
私は、ここ数年、夫婦で年間お教化10戸を誓願させていただいておりました。昨年は開導聖人ご生誕200年慶讃のご奉公という事で、私一人で10戸の誓願を立てさせていただきました。しかしながら、実際は締め切り1ヵ月前の段階で4戸しか達成できていなかったのです。大変申し訳ないのですが、その時、私は1ヵ月足らずで、あと6戸は無理だと諦めており、できる限りさせていただこうと勝手に思っておりました。
ちょうどそんな時、ブラジルの若い御講師方3師の訃報を知ったのです。ブラジルは私にとって言葉では語りつくせないほどの思い入れがある国です。実は、私は以前、本庁の弘通局でご奉公をさせていただいていたことがあり、青少年の一座のご奉公に数年間、携わらせていただいておりました。
その第一回目の際に、ご奉公者が集まって発足会のような会があり、一人ずつ簡単なご挨拶をさせていただくことになりました。今考えますと、何故そんな大それたことを口にしたのか、今でも自分で分からないのですが、私は「今日から青少年の一座の本番までの9ヵ月間で週にお一人ずつ36戸をお教化します」とご披露したのです。
その話を聞いて当山の長松清潤ご住職もびっくりしておられましたが、実は私自身が一番驚いておりました。そこから私のスイッチが入ったのですが、現実的には仕事柄、海外へ行く機会が多いので、とても日本だけで36戸のお教化を達成することは不可能でした。それまでは海外でお教化はできないと勝手に思っていたのですが、そんな事を言っている場合でなくなり、御本尊拝受願を持って海外にも行かせていただくようになりました。
結論から申しますと、9ヵ月で36戸のお教化を無事に達成させていただくことができました。本当にありがたく、御法様のお慈悲と御経力を感得させていただくことができました。
実際、私の力など何もなく、すべてお計らいのお教化でした。その時、ブラジル、アメリカ、イタリアでもお教化をさせていただくことができたのです。特にブラジルでは開教100年のご奉公に参加させていただいた時に4名をお教化させていただきました。
本当に申し訳ないのですが、実際に私など教化親など名ばかりで何もご奉公ができておりません。しかし、その教化子たちが、ブラジルのコレイア日友師をはじめとする素晴らしい御講師方、そしてブラジル日教寺の吉川様などのご信者様方のご教導をいただき、私など足元にも及ばない本物の佛立信者にしていただきました。改めましてここで御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。
その時からブラジルと深いご縁をいただいたのです。そのような特別な場所でご奉公されていたブラジルの御講師方3師が志半ばにして事故で帰寂された話を伺った時、私は大変なショックと共に心から申し訳ないと思いました。なぜなら元気な身体や十分な環境をいただいているにもかかわらず私は諦めていたからです。帰寂された御講師方は、どれほど無念であっただろうかと考え、心から反省し、お懺悔をさせていただきました。
そこから全力でお教化に取り組ませていただき、本当にありがいことに10戸の誓願を達成させていただくことができました。不思議なのは、私が「させていただく」と決定した瞬間から大きく流れが変わり、あれよ、あれよという間に6戸のお教化をさせていただくことができたことです。私は、このお教化は、御法様と帰寂された御講師方が助けて下さったと確信しています。
以前の時もそうでしたが、自分自身が心から決定させていただけるかどうか、それが最も大切なことだと改めて感得させていただきました。心から決定すれば御経力をいただくことができて、信じられないようなことが必ず実現します。
私だけでなく、それは誰にでも同じようにいただけることだと思います。時々、どうやってお教化をするのですかと聞かれますが、実は特別なことは何もしていません。ただ、ひたすら誰にでもご信心の話をさせていただいているだけです。蒔かぬ種は生えぬと教えていただいている通り、いつでも誰にでもご信心の話をさせていただいております。
そうすると今度は「誤解されないですか? 仕事に影響が出たりしませんか?」などと聞かれることもありますが、全くそんな事はありません。私が、いつもお寺の話をしているので「本当は小泉さん、お坊さんなんですか?」と聞かれることも、しょっちゅうあります(笑)。
逆に、ここまでくれば、仏教=小泉というイメージが定着しているので私からお寺の話をしなくても、向こうから「最近、お寺はどうですか?」と聞かれたりもします。また困った方が、あちらから相談に来てくださったりします。
ただ一点だけ気を付けているのは、自分の意見を押し付けないことです。様々な宗教をお持ちの方々に、それは間違っていて、こちらが正しいというような言い方やご信心をしないと絶対ダメというような決めつけた言い方はしません。
ただ、淡々と仏教がいかに素晴らしいか、その中でも佛立宗が真実本物の仏教であること、お寺(妙深寺)の活動などをお話するだけです。そして自分がどれほど幸せであるか、どう変わったのかというお話を最後にします。
私は、最初から、ご利益の話はほとんどしません。何も知らない人にいきなり不思議な話をしてもかえって誤解を生むからです。それよりも仏教はスピリチャルなものではなく、すごく論理的であることを強調させていただきます。
例えば、仏教が論理的であることを説明するために、このようなことを話します。最近パワースポットが流行っているよね? そこに行けばパワーをもらって幸せになれるという。でも、もし本当にそうだとしたら、今頃、その場所は大都会になってないとおかしくない? 実際は、ほとんど普段は誰も行かないような場所だよね? 
仏教は、因果の道理だから原因と結果がすべてなんだよ。だから、どこかの場所に行くだけで幸せになったり、パワーをもらったりなんてあり得ない。でも実は、どんなことでもそうだよね? 
何もしないのに良いことが手に入る世界なんてない。仏教では、その当たり前のことを教えてくれている。
人は頭を鍛えたり(勉強)身体を鍛えたり(運動)するけど、一番大切な「心」を鍛える人はめったにいない。心が強くなければ、いくら頭が良くても身体が健康であっても本質的には意味がない。なぜなら全ての中心は心だから。
御題目は、心の腕立て伏せや腹筋運動と同じだと思う。1回、2回やっても分からないけど、毎日毎日やらせていただけば、知らない間に心が強くなっている。それは頭と身体を鍛えるのと同じ。何より一番鍛えなければならないのは心でしょ? お寺は心のジムなんだよというような話をします。
こういうことも何回も何回も色々な方にお話をさせていただいた中から生まれた説明の仕方の一つです。実際、このような話をすると皆さん、すごく納得してくれます。もちろん、これはあくまでも一例で、このような話し方が良いということではありません。とにかく、大勢の方にお話をさせていただくこと、このご信心を一人も多くの方にお伝えし幸せになっていただきたい、この一念があれば必ず御法様が守ってくださるし、御経力をいただけるのではないでしょうか?
私は足りないところだらけの申し訳ない信者です。課題もたくさんあります。しかし、だからこそ頑張って少しでもご弘通のお役に立ちたいと思っております。
拙い話でしたが、少しでも皆様のお役に立てるような事があれば望外の喜びです。異体同心で皆様と共々にご弘通をさせていただけますよう、引き続き頑張って参ります。
本当にありがとうございました。