ほんもんぶつりゅうしゅう
2014年05月28日
大難を小難に変えていただいた
第4支庁 鎌倉・顕証寺 福井百合子さん
 
 
 あの東北大震災の夏の事で、日本中が節電を余儀なくされ、我が家もエアコンの使用を控えたり、グリーンカーテンを作ってみたりいたしました。
 
 七月二十四日、何時ものように五時に起床、お初のお水をお取りし、お看経をお上げして、朝食の準備に階下に降りていきますと、閉じてるはずのリビングの窓と雨戸が少しだけ開いている。何故かしらと部屋を見渡すと、食器棚の引き出し全てが、少しずつ開いて、処どころに靴跡もあるのです。慌てて主人を起しに行き、見てもらい、泥棒に入られたと確信いたしました。すぐに、警察に通報することにいたしましたが、主人は出勤しなくてはならず、私が連絡を致しました。すると直ぐには行かれないと言うのです。仕方なく、原因を考えて、思い当たることはありました。リビングの雨戸の鍵がしっかりと掛っていなかったのです。リビングの窓は普通より大きく、雨戸も大きいため戸車が摩耗し動きが悪くなっていて鍵が掛かりづらくなっていました。そのことに気付かずにおまけに締め切っては暑いと、窓を閉めずに網戸にしたのです。
 
 そこに警察の盗犯課の刑事さん、巡査、鑑識捜査員が見えて早速、捜査を始められて、「実は同じ町内で同日に何軒か入られているので遅くなった」と言われました。「そして無くなっているものが有りますか?」と聞かれ、「実はテレビのリモコンが見当たらないのです。」と答えると警察官3人とも「えっ!リモコン?」と首を傾げ「なんでだぁ?」と引き続き捜査し、家の外側を見ていた刑事さんが「これですか?」と玄関脇に置いてある息子の自転車のカゴの中からリモコンを取り出したのです。するとその中の電池(単4、2本)がないのです。そして「なんで電池なんだ?」と鑑識捜査員の方が「自分の懐中電灯の電池がきれたのかなぁ?」とか、それぞれが推測していると刑事さんが
 
「何も取られなかった腹いせかも・・・。」
「震災の後、節電で街灯が間引かれ、町全体が薄暗くなった。庭から入りやすい家を見つけ、入ってみて取りあえず窓を開けてみる、ダメなら次に行き同じようにして、運よく(悪く)開いたら入る。家のなかに入っても同様に引き出しを開けて、財布や封筒にお金が入っていたら取る。無いからと言って人の居そうな処まで行くというリスクは負わない。コソ泥ではありますが、鉢合わせしなくて良かったですね。電池2本で済んで!」
 
と言われ捜査は終わりました。
 
本当にその通りで、台所には包丁もあり、考えただけでも背筋が凍る思いでした。不幸が重なったことからではありますが、家族が危険に遭うことも無く、大難が小難に変えていただいた、お計らいを頂いたのだと心より思いました。そして、改めて本門佛立宗にお会いできた事をありがたい事だと、家族にも素直に伝えていきたいと思いました。ありがとうございます。
 
平成二十五年一月発表