ほんもんぶつりゅうしゅう
2016年02月22日
「朝は一日の無事を祈り、夜は一日の経過に感謝」で御利益感得
第4支庁 鎌倉・顕証寺 菊池誠一さん
 
 
  私が現役にて山岳部に所属していた頃、会の年中行事として七月に谷川岳集中登山が行われており、今回現役最後の登山と思い参加、各コースメンバー数名づつ、編成され、出発コースは一の倉沢と南面の岩場の沢登り、天気は晴朗、絶好の登山日和だ。各自技術的に差があり目的地に着く時間が異なるので最後のメンバーが目的地に着く迄私と数名のリーダー級の者が残る。山の天気が変り、ややあやしくなってきたので集まっているメンバーを下山させる。最後のメンバーが来たので休む間もなく急ぎ西黒尾根を下山、途中気にしていた天気が雷雨となる。やせ尾根なので身を隠し場所もなく又、雨具を着る余裕もなく森林限界迄急ぐ森林限界手前の鎖場についたので先づ安心。雷がこわく鎖にたよらず私と他二名は先に下り他の二人は上にて女子会員の下降を指示。鎖はたよらず下降するよう指示下り始めた。
 
 瞬間鎖りに落雷。鎖りを通る火柱を見た瞬間下に居たわたしら三名が約三メートル位西黒沢よりに飛ばされ雪渓の上に叩き付けられた。場所がやや平坦な所だったので三人とも滑落せずに助かった。急斜面だったら一命なかっただろう。二人はすぐに立ったが私は下半身感覚がなく立てなかった。二人に支えられ鎖場に行くと女子会員は指示通り鎖りにつかまらず岩にしがみついており、なにごともなく安心する。これはお計らいをいただいたと一瞬思いました。
 
 その頃私は入信の日も浅く役中さんから言われたことを毎日朝は一日の無事を祈り晩は一日の経過に感謝、又行事があるときは私ばかりでなく参加者全員の無事もお祈りしていたから、現証の御利益をいただいた事は御法様がお守り下されたと思いました。それからも生活上の様々な問題もありましたが、御宝前に少しでも多くの御題目があがる事が我が身の幸せにつながることに感謝しております。もし三人とも遭難していたら参加者に迷惑をかけ他の山岳会の笑いものになり後々迄の語りぐさになったと思いました。ありがとうございます。
 
平成24年1月発表