ほんもんぶつりゅうしゅう
2024年04月01日
海外弘通だより ~イタリア編 夫がいただいた転重軽受のご利益
現在、私の住んでおります自宅はローマ郊外にあり、ローマ親会場としてフィレンツェよりキアッフィ良誓師をお迎えして御講を奉修させていただいたり、ローマ地区在住の信徒のためのお助行会場として使っていただいております。
夫のマッシミリアーノは学徒としてご奉公させていただいております。このたび、そのマッシミリアーノ・ヴァレンティーニが大難を小難にしていただくご利益をいただきましたので、ご披露させていただきます。
 夫は、化粧品店を経営しております。
 店から徒歩5分ほどの所に同じく友人が化粧品店を経営しており、店の品切れが生じると、急遽、お客様のご要望に応じるため、店同士が助け合うのですが、昨年(2023年)12月20日の夕方4時半過ぎ、夫は店のお客から依頼のあった髪の毛を染めるカラーを切らしていたので、その近所の友人の店に寄ったのでした。
 その店の前の道はいつも混雑し、側道はいつものように車が長く縦列駐車で一杯でしたので、少し離れて縦列駐車のさらに横に一時停止させてから店に入りました。
 店に入り、いつもの様に少し店員たちと雑談した後、娘さんの1人に商品の在庫があるか尋ね、妹さんは店の奥にある階段を上り、2階にある倉庫へ探しに行きました。
 当時、店内には店主の奥さん、娘さん2人、お客さん1名、主人の5人が居ました。
 階段近くで主人が背中を玄関口に向けて待機していると突然、地震が起こったと思ったと言っていましたが、大きな音と揺れを感じて後ろを振り返ると大きなバンが店に突っ込んでいたのだそうです。
 目の前には、バンの下敷きになっているお客さん、バンに飛ばされた店主の奥さんと娘さんは、壊れた窓、散らかった商品などで埋もれていたのです。バンから下敷きになっている客を引き出すのは危険なので、とりあえず埋もれた二人を助け出すも、奇跡的に軽傷でした。その後、救急隊員にお客さんは助けられ、重症は免れたものの病院へ運ばれて行きました。
バンの運転手は中国人で警察の事情聴取には片言のイタリア語でブレーキが利かなかったと話したそうです。
 店の真向かいの車線から直進してきたバンは、前を通る2本の道を跨ぎ、他の車と接触することなく、ちょうど店の前に停まっていた車が出た後の隙間を通って店に突っ込んできたのです。
 倉庫から降りてきたもう1人の妹は、マッシミリアーノが私の命を助けてくれたと言っていて主人もたまたま奥に居て無傷で済みました。
 事故直後の写真を見るとみんな助かったのが奇跡というしかない有様です。
 この事故で消防車、警察、救急車がそれぞれ数台現場に出動し、店の前はそれらの車体でごったがえしており、翌日まで四方の道は閉鎖されて事故の大きさが伺えます。
 この度の体験で日々、御本尊様にご加護いただいていると強く感得させていただきました。新たな気持ちで2024年1月1日の元旦は、香風寺フィレンツェ別院で11時から元旦会に日本のご信者様方の顔を思い浮かべながら異体同心の思いでお参りさせていただきました。
 このたび夫がこのような転重軽受(重きを転じて、軽く受ける)のご加護をいただき、夫も私もあらためて信行ご奉公に励ませていただくことの大切さを感得させていただいた次第です。