ほんもんぶつりゅうしゅう
2024年05月01日
第33回 研究発表大会を開催 熊谷誠慈先生より特別講演いただく
去る3月27日、佛立教育専門学校と佛立研究所共催の「第33回研究発表大会」が、宗務本庁3階宗会議場にて開催され、修学塾教員研修会参加のお教務はじめ一般のお教務・ご信者方、またZOOMを使用してのリモート参加もいただく中、午前10時40分より玄題三唱、新井日現宗務総長・植田日事教育局長・亀井日魁学校長の挨拶、修学塾教員委嘱状交付と続き、講有上人より御訓示を賜った。
 引き続き、佛立研究所客員研究員の伊藤精彦氏より今回の特別講演の講師・熊谷誠慈先生の紹介が行われ、講演に入った。
熊谷誠慈先生の特別講演
 京都大学・人と社会の未来研究員教授である熊谷誠慈先生は、専門はインド・チベット・ブータンの仏教学で、研究内容は文献学的研究(哲学・歴史)やフィールド研究(遺跡調査・住民ヒアリング)、加えて文理融合研究による幸福研究やAI開発にも携わり、話題になった「ブッダボット」の開発者である。他にも内閣府ムーンショット目標9プログラムディレクターや株式会社テラバース創業者・CIO、浄土真宗本願寺派教順寺住職など多彩な経歴を持つ。今回は「仏教×AI:仏教の未来・可能性を考える」というテーマで講義いただいた。
 今、日本に仏教寺院がおよそ七5,000ヵ寺もあるが、主に江戸時代の寺請制度によって増えたものである。それが明治以降の急激な寺院の意義や機能の壊滅的な低下、後継者不足や近年の宗教不信等の問題も重なって仏教の衰退が進み、2040年には3割の寺院が廃寺になるという。「衰退気味の日本仏教の復興を」という仏教界の要請を受け、衰退の主原因(仏教の形骸化・悩みや問題に向き合わない・科学的視点の欠如)とされる問題を解決するために①本質(幸せになるための教え)を取り戻す②悩みや問題に向き合う③科学的視点を持つという要素を満たす仕組みを考えた結果、伝統知と科学が融合した、ブッダのようなAIを作るという結論に至った。こうして生み出されたのが「ブッダボット」であったが、その後「生成AI」の登場により更なる進化を遂げた。ボットは多様化や拡張、更なる構想(テラバース)に繋がり、未来の仏教の在り方を構築していくのだという。
 日本の社会も宗教界も困難を抱えている現状のなか、仏教の知とAIなどの先端技術を方便として社会に活かしつつ、明るい未来を信じ前に進んで行くための先導役を仏教界は目指すべきだという提言をもって講演は終了した。
パネルディスカッション
 質疑応答の後、研究所副所長・局日遙師の司会進行により、研究所弘通研究部門主任・石岡日敬師、研究所教学研究部門主任・加藤喜遵師、研究所客員研究員・伊藤精彦氏、そして特別講演をいただいた熊谷誠慈先生にもパネラーとして参加いただき、『AI技術が生み出すご奉公の現場における可能性』とのタイトルでパネルディスカッションが開催された。
 パネルディスカッション終了後、佛立事典の紹介、購入おすすめのご披露があり、休憩の後に次の研究発表が行われた。
 研究発表者と演題
①「信心をわが子に伝えることをためらう青少年たち~青少年アンケートから見る青少年への信心教育に対する一考察~」
 研究員  宮本功昌師
②「『カルト』か『宗教』か~難問が投げかける課題~」
 研究員  福本清容師
③「人工知能 今昔」
 客員研究員
      伊藤精彦氏
④「当家における約教釈の頂き方について」
 学校教諭 田原彰行師
 最後に佛立研究所所長岡居日実師の閉会の辞をもって、この日の研究発表大会が無事に終了した。