ほんもんぶつりゅうしゅう
2024年03月25日
体験談「三つの宗教が混在する家で…」 9支・高松妙泉寺 丸山淳啓師
ありがとうございます。
丸山家は元々、本門法華宗の檀家でした。その中で、祖母は熱心にキリスト教を信仰しておりました。そんな丸山家に、すでに本門佛立宗のご信者であった母が嫁いだのですが、その際、母は自分自身が佛立宗のご信心を続けることを条件にしたそうです。佛立宗と丸山家のご縁はそれが始まりです。
私が幼い頃は、母と兄と私の3人だけでのご信心でした。家の中でお寺の話が出ると、祖母は酷く機嫌を損ねて、食卓の雰囲気が悪くなるほどでした。月に1度の薫化会御講は「買い物に行ってきます」と隠れてのお参詣、家でのお看経は母の懐中御本尊を寝室のクローゼットの中にお掛けして祖母に隠れながら、ささやくような声でのお看経でした。
 長らく、3人だけでのご信心でしたが、今から10数年前、父が目の手術を受ける際にお助行をいただいたことや、お寺の行事への参加をきっかけにお教化となりました。そして10年前には法華宗の仏壇を払って、佛立宗の御本尊、御尊像をお迎えし、ご戒壇を建立させていただくことができました。
 しかし、祖母の反発は強まる一方でした。祖母は母に向かって「結婚する時に信仰を持つことは許したけど、ここまでされるとは思っていなかった。あんたは最初から丸山家を乗っ取るつもりだったんや」と何度も口にしておりました。
 祖母の正法帰入のご祈願は何年もしていたのですが、当時の私は、お寺の話をしたら何を言われるかわからない、自分たちがこれ以上お参詣できないようになりたくないという思いから、面と向かってのお折伏、祖母にご信心を勧めることはできておりませんでした。
 私は大学卒業後、地元で就職しましたが、ご縁をいただき、平成28年10月30日に得度させていただきました。このときも、祖母からは「仕事を辞めてまでお寺に入るなんて、今までおばあちゃんを騙していたのか」と言われました。
 平成30年2月のことです。祖母は転倒して骨盤の骨にひびが入るケガをしました。御導師にそのことをご報告申し上げますと「家に戻って1万遍のお助行をしなさい」とお折伏を頂戴いたしました。
私はすぐに家に戻り、自宅の御宝前で祖母の当病平癒と正法帰入のご祈願のお助行を5時間にわたってさせていただきました。両親も交代しながら一緒にお助行をしてくれて、最後には祖母も座ってくれて、一緒にお看経をさせていただくことができました。
昔は、家では祖母に隠れて、聞こえないようにささやくような声でしかできなかったお看経が、このときは、まるで本堂にいるかのような声で、お助行をさせていただくことができました。
お助行を終えた後、不思議と涙が止まらなくなり、お互い涙を流しながら祖母と改めて面と向かって話をしました。今まで伝えることができなかった思い、祖母にもご信心をしてもらいたいということを、ようやく伝えることができ、その場で入信を決意してくれました。およそ30年越しのご祈願、祖母の正法帰入を叶えていただくことができました。
 そうして祖母はお教化となったのですが、ホッとするのもつかの間、入信はしたものの祖母の口から出る言葉は、神様という言葉やご信心への不満ばかりでした。
本門佛立宗のご信者となりながらも、そのような発言を繰り返す祖母を前にしながら、私は、あれほど熱心なクリスチャンが佛立宗に入信したのだからと、それに満足してしまい、祖母の言動を見過ごし、お折伏をしませんでした。
 祖母の入信からおよそ1年が経った平成31年2月のことです。祖母と母が大喧嘩をして、母が家を飛び出して、家族がバラバラになりそうな状態にまでなってしまいました。
その状況を御導師にご報告申しあげ、御導師のご教導のもと、私は家族1人1人と何度も話をしました。これは御宝前からのお折伏、改良の機会を与えてくださったのだと感得させていただき、家族皆がこれまで以上にお看経をして改良をさせていただこうと決定をしました。
 7月のことです。初めて丸山家の家で御導師にお出ましいただき、御講を奉修いただきました。その御講の中で、母は、感情に任せて家を飛び出した事、それまでの言動をお懺悔させていただきました。
 その御講の3日後のことです。祖母が大量の血を吐いて緊急搬送、輸血をして入院をすることになりました。御導師からすぐに病院へ行きなさいとご教導をいただき、私は病院にかけつけました。10日間くらいは食べ物も飲み物も一切禁止ということでしたが、お供水で口元を湿らし、2日目には飲み物、3日目には流動食を食べられるまでに回復、そしてわずか10日ばかりで退院というご利益をいただいたのです。
入院中は毎日、祖母の元にお供水を届けました。吐血をして入院という状況になってようやく、祖母にお折伏をさせていただくことができました。そして病室で祖母と一緒にお看経をさせていただきました。
 それまでは口を開けば神様、神様という言葉が出ていた祖母ですが、不思議なことに、この度の吐血を機に、その神様が御本尊さまという言葉に変わり「きっと御本尊さまが助けてくださる。有難い」と言うようになったのです。
 今では毎日、家族と一緒にお看経をするようになり、毎日、開門参詣をするようになりました。90歳という高齢でありながら、ご奉公の度に体が元気になり、数年来悩まされていた腰の痛みがなくなるなど、数々のご利益をいただいております。
また、腰の痛みでわずか10分も車での移動が辛かった祖母が、令和2年2月には熊本長薫寺への団参、その後も四国布教区管内のお寺への御会式参詣、大阪のお寺への団参にも自ら進んで喜んでお参詣させていただくようになりました。お参詣の度に不思議と元気になっているように感じます。
 また、1昨年の夏頃から認知症の症状が出て警察に保護されたこともあり、家族は心配していたのですが、昨年3月に佛立教育専門学校の私の卒業式にあわせて母と共に本山参詣をさせていただきました。本山参詣の功徳をいただいて、それまでの症状が嘘のように頭もしっかりし、体も元気になっております。糖尿病も薬を服用する必要がなくなるほど数値が良くなりました。
 さらに、ゴールデンウィークには仙台・石巻への布教区研修旅行にも皆様の助けを借りながら参加し、無事に、そして疲れた顔ひとつ見せず元気に高松へと戻ってくることができました。
 紆余曲折がありながらも、こうして家族皆で一緒にお寺参詣し、御題目をお唱えさせていただけるようになったことは、私にとって何物にも替え難い喜びです。
 今後も、家族皆がご信心を中心に暮せるように、また同じように自由にご信心ができない方に少しでも寄り添うことができるように、一層、ご恩報じのご奉公に精進させていただく所存です。