ほんもんぶつりゅうしゅう
2022年10月14日
第5支庁主催 関東大震災第百回忌慰霊法要を勤修
大正12年(1923年)9月1日午前11時58分に発生した関東大震災より、本年は数えて第百回忌を迎えるに当たり、多くの犠牲者が出た第5支庁では、去る8月23日、東京・墨田区東京都慰霊堂を会場に「関東大震災第百回忌慰霊法要」を厳修した。
 今回のご奉公は、谷信一宗務副総長のご提案に端を発し、本年の3月、柏日胤第5支庁長を執行長といただき、支庁管内4布教区の災害対策の参与を中心に「関東大震災第百回忌慰霊法要執行本部」を立ち上げ準備を開始。
 柏支庁長のご意向により「関東大震災第百回忌と、来年令和5年3月11日に迎える東日本大震災第13回忌に繋がりを持たせること」「このご奉公をキッカケにウィズコロナのご奉公の後押しとすること」「災害への意識を高めること」「防災へのスキルアップ」等、指針が定められた。

○慰霊法要

 まず執行本部として、東京・墨田区にある東京都慰霊堂を会場として決め、第百回忌正当にあたる9月1日に先立ち、8月23日に「慰霊法要」の執行を決定した。
 東京都慰霊堂は、関東大震災犠牲者約58,000人の遺骨を納めるための霊堂として、震災7年後の昭和5年に完成。その後、東京大空襲で亡くなった方の遺骨も納められた。現在、震災犠牲者と戦災犠牲者を合わせて約163,000霊が納鎮されている。
 慰霊法要執行にあたり、東京都の許可を得て慰霊堂に、本門八品上行所伝本因下種の南無妙法蓮華経の御本尊を奉安。一切の謗法を払い御宝前をご荘厳させていただいた。
 そして、管内寺院の住職にご出座いただき、コロナ対策を講じた上で、ご信者にも広く将引させていただき、約210名(※教講ご奉公者含む)のお参詣をいただいた。
 法要は、11時55分に昇堂。関東大地震の発生時刻11時58分に合せ黙祷を捧げ、無始已来の言上にて一座法要が開式。
法要中、講有上人より全宗門人へ賜った「諭達」を第5宗務支庁次長・高野清純師が代読。その後、支庁長を筆頭に、参列者全員でお焼香をさせていただいた。
 大震災百回忌を迎えて初めて、東京都慰霊堂に本門八品所顕上行所伝本因下種の南無妙法蓮華経の御本尊が奉安され、参詣者一同の御題目口唱によるご回向が成就した歴史的な法要となった。
 最後に柏執行長より、「この東京都慰霊堂は関東大震災の犠牲者、また東京大空襲の戦災犠牲者が安置されている鎮魂の地であります。
 今、私たちにできることは、日々お唱えさせていただく真実の大法、上行所伝の御題目さまの御経力をもって、亡き諸精霊法界群霊に功徳を手向(たむ)ける追善回向をし、御題目口唱を以て世界の平和を祈り、先人に学び、ご奉公させていただくことであります」と挨拶があり、一座法要が無事に終了した。

○講有日良上人の諭達

関東大震災により殉難された方々の第百回忌を迎えるに当り、所懐の一端を申し述べます。
 大正23年9月1日、正午前に発生した大地震により、首都圏は未曾有の被害を受け、その復興までに数年を要したといわれております。
以来、政府ではこの日を防災の日と定め、いつまた発生するかもしれない災害に備え、国民の防災意識の向上と対策を講じてまいりました。
しかしながら、平成に至り、阪神淡路大震災・東日本大震災等、幾度も発生し、各地に大きな被害をもたらしております。
さらには、数十年の間に起ると予測されている首都圏直下型地震や南海トラフ地震への対策も急がれているところであります。こうした自然の猛威を目の当たりにすると、人類の脆さを痛切に感じます。
人智の及ばぬところは信心でお計らいをいただく外ありません。ご一同は、殉難者への回向を通じ、防災意識を高め、災害復興への諸々の支援という菩薩心の向上を心がけ、何事が起っても安穏のお計らいをいただけるよう、日々の口唱にますます精進されることを念願し、諭達とします。

○新井総長の挨拶

関東大震災の第百回忌を迎えるに当り、宗務当局を代表して一言ご挨拶を申し述べます。
 直接、関東大震災を経験された方は、今はほとんどおられませんが、多くの資料を拝見すると、計り知れないほどの災難にあったことが記録されており、今ではこの9月1日を防災の日として、国民の防災意識の向上が図られております。
 私どもも東日本大震災等の未曾有の災害に直面し、自然の猛威、恐ろしさを痛感いたしております。
 宗門としても、種々の被災地復興支援はもとより、弘通支援等、あらゆる備えをいたしておりますが、何より個々人の信心増進と口唱精進による、ご利益感得が第一義と考えております。
 折りしも本年は、高祖ご降誕800年ご正当の年であり、明年の本山大法要を目指して、慶讃ご奉公結実に精進している最中です。お互い宗内教講は御講有の御諭達を踏まえ、益々異体同心でご奉公いただくことを祈念申しあげ、ご挨拶とさせていただきます。

○言上文

御宝前に謹みて言上し奉る 
去る大正23年9月1日正午前に発生したる関東大震災は、未曾有の大災害を及ぼし数多の犠牲者を出す
宗内寺院においても同信が数多く受難せられたり
今茲に本門佛立宗○○寺は弔主となり 第百回忌法要を修し奉る
本地本法の功力を以て弔う処は関東大震災殉難者一切の諸霊魂 別しては宗内殉難者の諸精霊 有縁無縁の霊魂 法界群霊 離苦得益 妙法経力追善菩提
経曰 毎自作是念 以何令衆生 得入無上道 速成就佛身 於我滅度後 應受持斯經 是人於佛道 決定無有疑
生死の長夜を照らす大灯明 元品の無明を切る大利剣 妙法経力追福作善 証大菩提の為也
願くは此の功徳を以て普く一切に及ぼし 諸々の災難被災地 復興成就 並びに被災者の面々いよいよ災難除滅 心願満足
別しては○○寺弘通発展 教講両務の面々 益々信心増進御奉公成就なさしめ給へ 感応道交哀愍納受 南無妙法蓮華経(品題)