ほんもんぶつりゅうしゅう
2023年02月01日
新春清談 御講有大いに語る[2]
――昨年のご巡教・ご親教で、他に印象に残っているお寺は、ありましたでしょうか。
 台風・大雨の影響する中での奉修
御講有 第4支庁・静岡の清啓寺ですね(佛立新聞令和4年11月号に掲載)。
前々日に台風の襲来で大雨、大変な災難でしたが、9月25日の法要でも、お寺に行く道中で配給の水をもらいに来る人が列になっていました。
お寺では、少しですが水が出ていましたが、トイレではペットボトルで水を流さないといけないほどでしたね。 大変だったと思います、水が出ないということは。
 水の配給には、皆さん車で来ているから、お寺から駅まで戻る道中も、車が渋滞していましたからね。それを考えると、受け入れのご奉公は大変だったなと思いました。
――台風の襲来が前々日でしたが当日は雨も収まり、また、周りが全て断水の中、お寺は少しですが水も出たということで、これもお計らいだったと伺っております。
御講有 ご参詣者も、密にならないように参詣されていましたね。別室に御本尊を奉安してご参詣されていましたね。
――どこのお寺でも、講有上人にお出ましいただく講有巡教・ご親教は、何十年に一度の法要ですから、精いっぱいの法要をお勤めされますよね。
御講有 もちろん、どのお寺もそうなんですが、清啓寺は特に大変だったなと思います。
――話はガラッと変わりますが、熊本の方へは月に1度ぐらい、お戻りになられているのでしょうか。
 教務の常勉強 僧階昇進試験
御講有 年に3回ぐらいですかね。大会に2回、それと11月に帰りました。長薫寺で、叙任されたお教務さんのお祝いの式に戻りました。
長薫寺は、先々代の髙須日薫上人が「お教務さんの僧階はどうでもいい、お教務さんの使命は何人の人をお教化するか、何人の人にご利益をいただかせるかということだ」とおっしゃっていたけれど、長薫寺の教務は毎年、試験を受けています。
――お教務さんの試験は必ず受けよ、ということなんですか。
御講有 試験の費用は、3回までは教務会から出してくれる。それでダメだったら自分で出す。もし行かなかったら、行った人の費用を皆で出す。だから全員、受けます。
――お教務さんの常勉強ということですね。
御講有 そういう制度として試験があるからには、受けないといけない。挑戦しないといけない。受かる、受からないは別にして、とにかく受けるのです。
――それに向かって進んで行くということですね。
御講有 長薫寺は朝参詣も、僧階の上の人から席があるんじゃない。本堂の座配盤があるから、自分が来た時にどこに座るか決める。 だから座配は自分で座る場所を決めるのです。
 本山の大会では、座配を決める時に後から来た人が僧階が上だったら、座配を組み替えるので大変だろうと思います。だから長薫寺では、自分が好きな所に座ったらいいじゃないかとしています。
――長薫寺では朝参詣などで、お教務さんが、ちゃんとお看経しているかと見張りをしていると伺ったことがありますが…。
 居眠り御法度!ご有志を徴収
御講有 そうですよ。朝参詣中に2回、内陣の前にある大前机から当直の教務が見張りに来るのです。そして、ちゃんとお看経をしていないと、朝参詣後のお内仏の間で「互師互弟」―これは教務とその家族全員の集まりでご披露等があるのですが、その中で朝参詣中に居眠りしていた人、その他、規則に違反した人などが発表されるのです。
――そういった方は、おられるんですか?
御講有 いますよ。
――そういった違反をした人が罰金を払って、その集めたお金を年末に使うと聞いたことがありますが…。
御講有 2年に1回、教務・寺族全員で旅行に行きます。子供がいる人は夏に家族で、子供連れのグループで。お年寄りの人はそのグループで、それぞれ分けて旅行に行く。その費用として使います。
 だから罰金ではない、ご有志です。
――なるほど、そうなのですね。本日は法務ご多忙の中、長薫寺での貴重なお話もご披露いただき誠にありがとうございました。