ほんもんぶつりゅうしゅう
2023年11月11日
海外弘通だより~スリランカ編 開教25周年を迎え初の寺院誕生
ありがとうございます。今から25年前、神戸香風寺の福岡日雙上人が妙深寺の海外向けホームページに寄せられたメッセージを受け、まだ内戦の最中にあったスリランカへ渡航され、世界最古の仏教国であるスリランカに本門佛立宗の教えの種が蒔かれました。
以来、福岡日雙上人を先頭にご弘通が進展し、2004年から妙深寺もスリランカの国際弘通のご奉公をご一緒させていただいております。スマトラ沖地震・津波災害支援活動などを通じて着実に現地信徒が増え、今では現地のお教務であるディリーパ良潤師、ハシャーン清嵐師や学徒のアベイ氏を中心として各地に弘通拠点が誕生しました。
25年という節目を迎えた本年7月16日、高祖ご降誕八百年慶讃 本山大法要の御宝前において、御講有・髙須日良上人より、スリランカ教区妙深寺コロンボ別院の寺号公称の允許証が下付され、同年8月19日、開導会の法要に併せて妙深寺コロンボ別院が満を持して寺号公称し、スリランカで初めてとなる佛立寺院が誕生しました。
寺院の名前に関しては、当山ご住職が現地スリランカの人びとに理解できる名前とすることを第一として「諸経中王 最為第一」の根本経典である『妙法蓮華経』『サッダルマ・プンダリーカ・スートラ』=「白蓮のように最も優れた正しい教え」というタイトルから「白蓮」を撰ばれ、またスリランカでは由緒ある名の前に「大(マハー)」と付ける慣習があるため、新しい末寺の名前を「大白蓮寺」と命名されました。
御仏がお悟りの法の譬えに選ばれた「白蓮」をいただき、スリランカ国内に広がる上座部仏教に対して水際を立てて、まさに白い蓮の花のようにいかなる困難にも負けず、現証のご利益をもってご弘通に励む決意を感じています。
現在、スリランカは深刻な経済危機の中にあり、物価高や原油高、ハイパーインフレの影響が人々の生活に大打撃を与えている中ですが、開導会・寺号公称法要当日は350名を超える現地信徒のお参詣があり、妙深寺からも14名の団参を組み、歴史的な瞬間を共にお祝いすることができました。現地のご信者さんの随喜に溢れたご奉公の姿を拝見し、この時をどれほど切望していたのかを痛感しました。
ご弘通は一筋縄ではいきません。日本の佛立寺院と同様に、妙深寺コロンボ別院のご弘通も度重なる困難に直面しながら、今日を迎えることができました。以前は、日蓮正宗や創価学会という他の団体と同一視されるような誤解もありましたが、福岡日雙上人、当山ご住職、ディリーパ良潤師を中心とした長きに亘るご奉公により、今では法華経の教えを正しく実践する団体として公共機関にも認知されるまでに至りました。
今の日本で、これほどまでにご弘通の草創期の姿を見ることは難しいことです。私自身も何度も現地でご奉公をさせていただき、貴重な経験をさせていただきました。何もなかった場所に上行所伝の御題目の「種」が蒔かれ、法華経で説かれる五十展転随喜功徳のように、少しずつ、少しずつ根を張り、大きくなり、まさに白い蓮の花のような壮麗な「花」が咲き誇りました。
今後、スリランカ国内はもとより、ネパール、インドを含めて南アジアへの一大弘通拠点として、一天四海皆帰妙法の祖願達成に大きく貢献することが期待されます。高祖ご降誕800年結実の年、歴史的なご奉公が刻まれました。