ほんもんぶつりゅうしゅう
2014年05月17日
イタリア開教15周年記念 講有巡教奉修される
5月11日(日)、本門佛立宗では開講以来、初めてとなるイタリアでの講有巡教を、花の都フィレンツェで執行した。イタリア佛立宗が開教15周年を迎えたことを祝い、佛立開導日扇聖人の遺嘱を伝承し、その法灯を現代に継ぐ講有上人が初めてイタリアの地を訪れたのだ。この記念すべき最初の講有巡教を祝福すべく、当日の空は言葉に表せないほど鮮やかな青一色。現地のイタリア人信徒と日本からの団参信徒であふれかえった本堂には、情熱の国に相応しい熱気を帯びた御題目口唱の声が響きわたった。

 法要が始まると、まず導師の講有上人が日本語で御宝前に祈願等の総括言上をご発声。続いてイタリア人信徒全員が異口同音に同じ内容の言上をイタリア語で唱和し、それから全員での御題目の口唱が続いた。法要終盤には「日月偈」「久遠偈」を日本語で、一語一句違わず熱心に唱えるイタリア人信徒の姿が実に感動的で心を打つものであった。

 式典ではまず弘通局長の植田日事師が挨拶。続いてフィレンツェ別院住職の福岡日雙師、担任のキアッフィ良誓師が挨拶し、さらにイタリア人信徒のご利益談発表と続いた。数々の喜びの体験談を聞く限り、現在のイタリアでのご弘通は「現証布教(=現証ご利益による布教)」以外のなにものでもないことが明らかで、あらためて本門佛立宗のご弘通の原点を教えられた。

 イタリアのご弘通は、もとは福岡日雙師のホームページを見た現地の人からの一通のメールがきっかけだった。他宗教の曖昧かつ不透明な教義に飽き足らぬ西洋の人々が、ほんものの宗教を真剣かつ熱心な姿勢で追い求めるなかで、真の仏教を伝える本門佛立宗の教義に出値ったのだ。そして佛立宗の日常信行を実践するなかで自ずと皆が現証のご利益をいただき、それぞれが佛立信心を確固たるものとして今日を迎えたのである。

 式典はさらに続く。現地信徒から講有上人ご夫妻への花束贈呈、日本からの弘通興隆費・御有志の贈呈、キアッフィ良誓師の三等講師叙任式を経て、いよいよ法要は講有上人の御法門で締めくくられることとなる。

 講有上人は御法門で、佛立信心の真髄は己(おのれ)のためだけの自行の信心ではなく、化他行、つまり他の人をこの御題目でお救いする「お助行が大事」と説かれた。これは現地の信徒が、各々現証ご利益をいただくことでご弘通を伸ばしてきたイタリア佛立宗が、今後はその化他行によってさらに弘通の教線を延ばすことを暗示しているかのようだった。本当の佛立信心が、いよいよイタリアの地に根付こうとしているのである。

 最後は全参詣者で記念写真を撮影し、初めてのイタリア講有巡教は幕を閉じた。

 このたびの講有巡教では、このフィレンツェでの記念法要の他に、ローマ親会場でのお助行や、現地信徒との交流をはかる会食が数度設けられ、イタリアと日本の両国にとって互いに学ぶことの多い、とても意義ある巡教となった。日本人信徒はこのたびの団参を通じて、イタリア人信徒の純粋かつ情熱的な信仰心を目にし、あらためて佛立信心の原点である「現証布教」の大事を心腑(しんぷ)に染めた。そして、今後のご弘通への想いを心に誓い、帰国の途についたのであった。


【佛立開導日扇聖人 御教歌】
 おのが身の為の口唱の万遍は 法のこゝろに叶はざりけり