ほんもんぶつりゅうしゅう
2023年01月01日
新春清談 御講有大いに語る  御宝前のご加護をいただき無事にご奉公
――御講有猊下におかれましては、令和5年の新春を恙(つつが)なくお迎えになられましたこと、謹んでお慶び申し上げます。いつもお時間をとっていただいてありがとうございます。
――『年頭のお言葉』にもありましたが、昨年を振り返りますと、コロナの蔓延、ロシアによるウクライナの進攻、円安に世界的物価高、異常気象、自然災害と、多難な1年でありましたが、そのことについて、御講有上人のお考えはどうでしょうか。

 一天四海皆帰妙法の祖願成就を

御講有 どれも難しい問題だけど、やはり我々佛立教講は、お祖師さまのご理想である「一天四海皆帰妙法」―お互いのいただく正法、上行所伝の御題目を世に弘めて、ご信心のお力で世界の恒久平和の実現を目指さねばならないと思います。
中外日報等を見ると、ウクライナ問題などは、どこの宗派も義援金を送ったりと色々やっていますね。もちろんそれも大事だけれど、やはり我々は、しっかりと御宝前にご祈願させていただき、教化折伏、信行ご奉公に励まねばなりません。
――また、昨年9月1日は関東大震災の第100回忌に当たり、多くの犠牲者が出た第5支庁では8月23日に東京都慰霊堂を会場に慰霊法要を、また9月1日には管内各寺院で正当法要が勤まりました。講有上人からも御諭達を頂戴いたしましたが、その中で「人智の及ばぬところは信心でお計らいをいただく外ありません。ご一同は、殉難者への回向を通じ、防災意識を高め、災害復興への諸々の支援という菩薩心の向上を心がけ、何事が起こっても安穏のお計らいをいただけるよう、日々の口唱にますます精進されることを念願します」と仰せいただきましたが、今回、第100回忌に当たり、何かご感想はありませんでしょうか。

 回向を通じて菩薩心の向上を

御講有 全国の各布教区や寺院でも法要を行っていますが、今は亡き殉難者に対しては、ご回向させていただくしかないと思います。
そして、諭達でも申したように「回向を通じて、菩薩心の向上を心がける」ことが大事なのです。
――いよいよ本年は本山で、高祖日蓮大士ご降誕800年慶讃 本山大法要が本山の三大会に併せて奉修されますが、 聞くところによるとコロナ禍の影響もまだあって1座は550名の予定だそうですが、この大法要に対しての期待とか、思いとかは、いかがでしょうか。

 誓願を達成して喜びの参詣を

御講有 期待もそうですが、やはりまず誓願達成ということですね。 せっかく慶讃ご奉公を1年延長して頑張っているのですから。
全国の寺院でも、巡教などに行くと達成しているお寺も、たくさんあります。今だ達成できていないお寺は、何が何でも達成してもらいたいと思います。誓願を達成して、喜びの参詣をさせていただかねばなりません。
――『年頭のお言葉』の中でも「自分の経験を他の方に伝える」「佛立信心で得られる現世安穏の境地を、他の方々に語り伝える菩薩行」が大事とお話しされていますが、その点を今一度、宗内の皆さんにお伝えいただけましたら…。

 ご利益談・体験談を伝えて教化を

御講有 何も、立派なことを言う必要はないと思うんですよね。佛立宗は現証布教だから、そういうご利益談を他の人に伝えて教化を成就するというように、自分の体験談を、ご利益談を回りの人、周囲の人に伝えていくということが大事だと思います。
――ご自坊の長薫寺などでは、どのようにされているのでしょうか。
御講有 長薫寺は、寒参詣や夏期参詣の御法門は、何十年も前から体験談の発表を行っています。 寒参詣はご信者さんが、夏期参詣は青年会員が、ご利益談を発表しています。
 まず、お教務さんがご信者の紹介をして、ご信者さんがご利益談を発表して、それについて教務さんが御指南を拝読して、そして最後に御教歌で締めるというように、もう40年も前から続けています。
――体験談の発表が、そのまま御法門ということなのですね。その中で、御指南と御教歌を拝見されるということなのですね。確かに、体験談の発表はご信者にとって他の方に、ご信心の喜びをお伝えする何よりのお稽古となりますよね。
ところで長薫寺では、寒参詣は全国統一で1ヵ月間と伺っておりますが、夏期参詣の方はどうお勤めなのでしょうか。

夏期参詣は10日間で

御講有 夏期参詣は10日間です。子供たちは夏休み中ですから、法灯相続のために練成会とか子供のキャンプとかを行って、夏期参詣は7月中に終わります10日間で。8月は子供のために開けています。
――先ほどの伝えるということですが、例えば名古屋佛立寺の筧京子さんは、令和3年度に教化を10戸され、昨年の本山門祖会で講有上人より表彰をいただきました。その教化体験談を佛立新聞でも掲載させていただきましたが、その教化はご自身の体験談、その喜びをお話をして、教化につながっていったとありました。まさに、そういうことなのだ、と存じます。

 開導聖人も伝える大事をお示し

御講有 『年頭の言葉』の最後に、御教歌「よろづよの外までも弘まる春くれば 御法の花ぞ咲匂ふなる」で締めくくっていますが、まさに我々も、ご降誕800年慶讃の結実として、教化の花が咲き匂うように、ご奉公させていただかねばならないのです。そのためにも、自分のいただいたご利益を、喜びを他の方々に伝えることが大事なのです。
ですから開導聖人も、
「当宗は不軽流なり内証の はづかしさうな信心でなし」
「うれしさをつつむ恋路にあらざれば みのりのために人にかたらん」
「うれしさを忘れぬ人ぞ世の中の 人にすゝめて法を弘むる」
というように、人にお伝えする大事を様々な御教歌でお示しなのです。
――話は昨年に戻りますが、講有上人には昨年も様々なお寺へ、ご巡教・ご親教にお出ましでした。その中で、特に印象に残っているお寺はありましたでしょうか。

 バースデーケーキで祝ってもらう

御講有 第5支庁・木更津の妙蓮寺ですね。凄かったですね。参詣されたご信者皆さんにご供養の席がありました。かずさアカデミアホールという所を借りて、ご参詣された全ての人を招待されていましたね。若い人も多く、青年会もお教化の大切なことを寸劇でやって、大変盛り上がっていましたね。
――妙蓮寺のご巡教の模様は、昨年12月号の佛立新聞にも掲載させていただきました。その中で、お祖師さまと講有上人へ、バースデーケーキが贈られたそうですが…。
御講有 そう、ビールのコップもいただきましたよ。(笑)
――続きは来月号でお伺いさせていただきます。