ほんもんぶつりゅうしゅう
2023年05月11日
第233回宗会における台湾協会からの感謝の辞
3月8~10日に開催された第233回定例宗会では、2日目冒頭に、日本と台湾の親善交流を図る団体「一般財団法人台湾協会」理事長の清水一也氏と専務理事の八田修一氏が出席された。
本門佛立宗は50年以上にわたって「台湾日本人物故者慰霊祭」を勤め毎年、各宗務支庁が当番にあたり台湾に参詣ご奉公をしてきた。これに対し台湾協会では、4月30日に開催される「交礼台湾の会」に本門佛立宗を招待し、慰霊祭に対する感謝状を贈呈する予定となった。
今回はそれに先立ち、理事長から講有上人をはじめ、本門佛立宗に感謝の意が述べられた。またこれに応じて新井宗務総長から謝辞が述べられた。
 以下、その内容を紹介させていただく。
ありがとうございます。
この度は大変貴重な機会をいただきまして、本門佛立宗さまへ長年の献身的な活動に対する御礼をさせていただきます。
来る4月30日、私ども台湾協会は、主催する「交礼台湾の会」におきまして本門佛立宗さまに感謝状を贈呈させていただきたく、この経緯と趣旨について簡単にご説明させていただきたく存じます。
昭和32年、33年、日本国政府は中華民国政府の協力の下、台湾に散在する邦人の墓地遺骨を調査し、昭和36年、1961年3月に遺骨蒐集作業を完了させました。
台北、台中、高雄の3か所に慰霊塔を建て、台湾で亡くなられた先人の御霊を永く慰めたいという方針の下、「日本人遺骨安置所建立慰霊法要」が在台北日本大使館と在台湾日本人会の共同主催で同年11月、12月に挙行されました。
この慰霊法要に遺族代表として参列した方々が遺骨を分骨し日本へ持ち帰り、その後、築地本願寺で毎年「台湾関係邦人物故者追悼法要」を催行しておりますが、その主催をしているのが私共、台湾協会でございます。
さらに昭和36年3月、在中華民国日本国大使館が編纂した『台湾物故者名簿』(全八巻)を今日まで大切に保存管理しているのも当台湾協会でございます。台湾協会は、戦後台湾からの引揚者による相互支援を実施している団体で、先人の慰霊法要も重要な事業の一つと位置付けて毎年催行しております。
台湾日本人会様は「台湾における日本人物故者慰霊祭」をその後、60年に亘って開催し続けていただいており、今年は第62回慰霊祭開催が11月に予定されています。台湾協会もこの慰霊法要には遺族代表の立場で毎年参列いたしております。
本門佛立宗様は、戦前台湾に5ヵ所の親会場と2,000戸の信徒様がいらっしゃったとのこと、そのため昭和45年(1970年)に日本人の墓や遺骨がどうなっているのか、慰霊法要を執行できないかなどの調査を実施され、その年の「台湾日本人物故者慰霊祭」において法要を執行いただきました。爾来、50年以上に亘って、本門佛立宗さまが慰霊法要の執行と信徒の皆様によるご参列をいただいております。
台湾日本人会さまがこの慰霊法要を途切れることなく開催され、本門佛立宗さまが法要を執行いただいているからこそ、私ども台湾協会はお陰様でこの「台湾日本人物故者慰霊祭」に今もなお参列させていただくことができております。
このことに心から感謝し、本日、宗会という公式の場で、台湾でお生まれになられた御講有上人、宗務総長をはじめ総局員の皆さま、宗会議員の皆さまの前で、半世紀を越えるご厚意とご尽力に謹んで御礼を言上させていただきます。
このような趣旨をこめて、来る4月30日、「交礼台湾の会」にて本門佛立宗さまに感謝状を贈呈させていただきます。
今後とも台湾と日本国の平和と繁栄のため、お力添えを賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。お時間をいただきまして、誠にありがとうございました。
令和5年3月8日
一般財団法人台湾協会 理事長 清水一也
感謝の辞に対しての謝辞
ありがとうございます。
この度は一般財団法人 台湾協会さまより感謝状をお受けすることとなり、ただいまは清水理事長さまからその経緯と趣旨を丁寧にご説明いただき、すべての宗門人を代表して御礼申し上げます。ありがとうございます。
お話いただきました通り、私ども本門佛立宗は日本交流協会、台湾日本人会、台湾協会の皆さまと共に、半世紀をこえて台湾での日本人物故者の慰霊法要を営んで参りました。
毎年、宗務支庁が当番にあたり、所属の教講が台湾へ参詣し、ご奉公にあたってきたのでございます。
こうした積功累徳のご奉公によって、「台湾で最も尊敬される日本人」として知られる八田與一氏のご子孫が本門佛立宗とご縁を結ばれ、さらに台湾でご出生遊ばされた御講有のご在位の御時に、はからずも台湾協会さまより感謝状を贈呈されるに至りましたことは大変喜ばしく、ありがたいことと随喜しております。
今後とも妙法口唱の功徳を積み重ねて、日本人物故者の諸精霊に安寧をもたらし、日本と台湾の友好が深まり、世界の恒久平和に貢献すべくご奉公して参りたいと存じます。
台湾協会さまの益々のご発展を祈念いたしまして、御礼の言葉とさせていただきます。ありがとうございます。
本門佛立宗宗務本庁 宗務総長 新井日現