ほんもんぶつりゅうしゅう
2016年03月13日
93歳の母が重症脳梗塞から回復 —皆様からのお助行と本人の信心のお陰—
10支庁 長崎・妙薫寺 窄中(さくなか)淳子さん
 
 この度は、母・一三の脳梗塞(最重症)でいただいたご利益についてお話させていただきます。
 
 私は93歳になる母と二人暮らしをしております。昨年4月、朝参詣とご奉公から午後3時過ぎに帰宅しますと、トイレで母が瀕死の状態で倒れていました。驚き慌てましたが、すぐさま救急車を呼びました。こちらの住所を告げると、市内中心部より遠隔地のため救急車では間に合わないのでドクターヘリで搬送することになる旨の説明を受けました。ドクターヘリが到着するまで、母を助けてくださいと懸命に御題目をあげました。
 
 午後4時頃、搬送先の市民病院の集中治療室に入りました。私はかけつけてきてくれた班長の山﨑さんと二人で御題目をお唱えしました。しばらくして医者が厳しい顔で「これから患者さんの容態を説明します」と言われました。大変緊迫した空気の中でメモを見ながら「現在の容態は意識はほとんどなし。頭の右側大半、脳梗塞。体は左側麻痺最重症で生命は×(バツ)です。外科的処置(頭の手術)をしても50%。年齢的、体力的なこと等を考えると非常に厳しい状態です。どうなさるか決めて下さい。一刻の猶予もありません」とのこと。
 
 私が先生に申し上げたことは「長い延命は望んでおりません。何より母が一番楽なようにして下さい。ただ子供達が遠方にいますので、できれば4〜5日の延命を」と、お願いしました。先生は「良く分かりました。内科的処置で頑張ってみます」と言って治療室へ戻られました。
 
 命が危ないとの説明を受け、すぐ御導師様にその旨お電話をさせていただきました。御導師様も驚かれ「そちらに行きます」とおっしゃったのですが「今は本人にも会えませんし、私達も廊下で御題目を上げさせていただいている状態です」と申し上げると「わかりました。お助行させていただきます」と大変勿体ないお言葉をいただき、また大変心強く安心したのを覚えています。
 
 それから20分ほど経った頃に先生が明るくにこやかな笑顔で治療室から出てこられ「もう大丈夫です。意識も戻り安定してきました。ビックリしています。93歳という高齢でこの短い時間にこれだけ回復するとは信じられないです。驚くことばかりで、こんな患者さんは初めてです」と興奮気味に説明されました。私は、最悪の事態は免れたのだと、ただ先生にありがとうございます、と手を合わせていました。御導師様を始め、奥様、ご信者さんのお助行のお陰だと感謝の気持ちでいっぱいになり涙があふれました。
 
 この度、素晴らしいご利益をいただいた母の信行ご奉公は、私の祖父が昭和の始めに入信し、その当時、母は小学生でした。それから80年余りたゆみなく素直正直に教えを守り続け、そして倒れるまで御修行参詣、御講参詣、寒参詣、夏期参詣と、高齢になり体力も年々衰える中、変わることなくバスを乗り継いで2時間ほどかけてのお参詣をさせていただいておりました。また、足が悪く、普通の道を歩くのも色々支障があり大変なのに、階段が百段近くあるお宅への御講参詣も這う様な状態にもかかわらず「ボチボチでも参詣させていただく、御法様がお守り下さっているから大丈夫だ」と言って頑張って続けてきました。もちろん朝・夕のお看経も欠かしたことはありません。こうした母のぶれない強いご信心により、この度の現証ご利益を頂戴することができたと思っています。
 
 しかし医者からは「今奇跡的にも一時回復していますが、高齢で病気が病気ですから、いつ何時どんなことが起るか分かりません。決して安心できる状態とは言えません」と説明を受け、その旨、御導師様にお話させていただきますと、次の日の朝からお助行をいただくことになりました。御導師様、多くのご信者による本堂での力強い熱烈なお助行を二週間いただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいでした。
 
 おかげさまで、当初、生還したとしても意思疎通はできないでしょうと説明されたのですが、先ず一番に動く右手でベッドをたたきながら御題目をお唱えさせていただくようになりました。次に自分の名前、生年月日がハッキリとした言葉で言えるようになり、医者も「驚きの連続だ。今までに多くの重症脳梗塞の患者を診て来ましたが、こんなことは初めてです。すごいおばあちゃんですね」と感嘆され、「そろそろ一般病棟に移動しリハビリに励んでもらうつもりでいます」とのこと。それが4月27日、入院して4日目のことです。その後、6月2日まで市民病院にお世話になり、6月3日より長期療養型の病院昭和会に転院し、リハビリに励んでおります。心配していた床ずれもなく看護師さん・ヘルパーさんに可愛がっていただき、とても良い環境の中で療養させていただいております。
 
 絶望的な状況から奇跡的とも言える回復ができましたのも、御法様はもとより、御導師様、奥様、ご信者様からいただいたお助行のお陰と本当に感謝しております。お助行のありがたさ、素晴らしさ、大切さ、すごい力を、またお教えいただいたと心に深く刻みました。今まで以上に人助けの手助けとなるお教化成就に精進してまいりたいと心底思っております。ありがとうございました。