ほんもんぶつりゅうしゅう
2014年06月26日
御法門聴聞は第一の良薬
第4支庁 鎌倉・顕証寺 小野良子さん
 
 
 昨年の春、四月に主人と母と三人で初めて顕証寺にお参詣し、御導師にお目もじが叶い、教区の皆様からも暖かく迎えていただき、顕証寺の信者の末席に加えさせていただきました。そして五月が無事に過ぎ六月に入り、急に主人の体調が思わしくなくなり、下旬には、自宅でトイレに行くにも難行苦行をする状態になり、茅ヶ崎市立病院に駆け込み、診察後、即入院となり、数日後手術となりました。整形外科のお医者様から、「こんなひどい人は見たことがない。」と、あまりの病状の悪さに驚かれました。
 
 その時本人は、下半身すべて麻痺で、尿意さえ薄れかけ、自分で自分の脚を触っても感覚が無い状態でした。本人は腰の椎間板ヘルニアだと思っていたのですが、検査により、首の頸椎から尾てい骨まで悪く、難病指定の「広範脊柱狭窄症」であると告げられました。普通の患者は一ヵ所悪い所を手術しますが、貴方の場合は背骨すべてが悪く、その中でもワースト3の胃の後ろのあたりの背骨の三ヵ所同時手術方法について整形外科の先生のグループが集まってミーティングして、任せるより方法がありません。主人も、心がへたーっと萎えてしまいました。
 
 手術後は杖で歩くのもやっとで、本人もこのまま車椅子生活になってしまうのではないかと思ったそうです。入院中のリハビリを経て、七月二十日に退院しました。退院して自宅に着くと主人が云いました。「車の運転は足の麻痺がまだ少しあるけれど、なんとか大丈夫。お寺参りがしたい、お寺の駐車場で車から降りたら、這ってでも本堂に行ってお参詣をしたい」と。
 
 退院早々、足の裏にもしびれが残り、玉砂利で足の裏全体を押さえ付けられているような感覚が一日中続いている中で、私は大丈夫かしらと思いました。だけど御祖師様は、いつも私達を見ていて、お守りいただいていると思い、意を決して、翌日、初めての夏期参詣に行きました。正に、晴天の霹靂です。今まで主人はご信心について、あまり関心がありませんでした。御講席を受けた時に、ご供養作りを少し手伝う程度でした。そんな主人にはお寺のお看経も初めてで、妙講一座を見て、平仮名表記の所を眼で追うのが精一杯で、声を出せぬまま終わり、御題目口唱の所だけのお看経でした。そしてお看経後の御導師の御法門聴聞も初めてでした。
 
 お寺から帰宅すると、主人が「お看経中のお経の意味も御導師の言上の意味もよく判らないけれど、心が穏やかに成り、又、心が澄み渡るようだ」と申しました。更に受付で初めていただいた「夏期参詣の御法門大意集」を見て、あと三週間位、御法門を聴けることを知って、「出来る限り毎日お寺へ行こう。御導師の御法門が楽しみだからね」と云い、翌日からまたお寺参詣させていただき、主人の体も心も眼に見えて元気になってゆきました。御法門を聴聞し、ご信心で様々な物事を見ると、受け止め方で一般の尺度とは、こんなにも違うんだと気づきました。
 
 今期、寒参詣中の第四日目の御法門で、御導師は「病気が仏道精進の為の良い縁に変わり、病いはご信心改良のきっかけと受け止めよ」と説かれました。私達夫婦は、ご信心改良と云うには信心は浅く、百歩も手前ですが、病が発信のきっかけとなりました。夏期参詣終了後、御法門をいつも心に留め、そしてその大意を忘れぬ為にも、御法門を書き出して額に納めました。自分のうかうかとした怠け心を出さぬようにです。毎日、御法門を間近に聴聞し大意を思い出して自宅でお看経させていただいています。
 
 病気回復という大きなご利益をいただきましたが、自分の心と体を御宝前に向けさせていただけたことが最大の御利益であると思っています。そして、御導師の御法門を聴けるのは、お寺がここに在るからだ、初代よりの御導師様方、御教務様方の御弘通に懸ける思い、また多くのご信者さんの日々の御奉公の支えがあって、只今こうしてお寺参詣や御法門聴聞が出来ることに改めて気付きました。
そして、御法門を説かれる御導師は、明日の御法門は、ああ説こう、この様に説こうと色々な角度から内容を構築され、私達には判らない程、沢山勉強されたり、本も沢山読まれ、多くの心の引出しを増やされ、日々の御弘通の中で体得されたものを絞り出すように言葉に込めて説いて下さっています。少しでも私達信者に判らせようという思いがひしひしと伝わってきます。こんなに説いてもまだ判らんかいと、御身体から湯気が立っている様に見える時もあります。
 
 御法門をただ耳で聞くだけでは、正直すぐ忘れてしまいます。自分の心の奥まで、その御本意を押し入れること、自分の身体の中にある細胞と心の中のミトコンドリアにまで届け、その中で共鳴出来てこそ御法門聴聞の意義が初めてある様に思います。
 
 改めて御導師様、ありがとうございます。これからも御法門を沢山説いて下さいませ。そして昨年の夏期参詣中より寺内にて、他教区の方々からも、温かなご声援・将引・お折伏を賜り、今、私はここに立っていられます。皆様ありがとうございます。今年も御導師様、そして皆様方より手取り足取り、御教導賜って御奉公させていただきたいと思います。ありがとうございます。
 
 
平成25年1月発表