ほんもんぶつりゅうしゅう
2018年06月01日
3月7日 200年奉告大会で発表  恩返しに日薫上人23回忌報恩の創組達成

第10支庁 長薫寺 渡辺久代

私は幼少の頃から体が弱く、病気がちな上に、特異体質で薬に対するアレルギーがあり、薬を服用するときも細心の注意が必要です。

風邪をひいたら治るまでに1ヵ月はかかりますし、喘息の持病があるため発作がおきたり、熱が出たりして呼吸困難におちいり入院したことが何度もあります。そのほかにも沢山の病気があるのですが、一番心配だったのが、ガンの疑いでした。

熊本市民病院で検査を受けたのですが「子宮の中に3個の腫瘍があります。沢山の病気を持っているあなたが手術をするならば、大きな病院の方がいいですよ。大学病院を紹介しますので、大学病院で手術を受けてください」と言われました。

私は以前、医療関係の仕事をしていましたので大学病院での手術となれば研究の対象になりかねないから嫌だ、との思いから、どうにかならないものかと躊躇していたところ、以前、親戚の家で真宗のお坊さんにいわれた言葉が頭に浮かびました。「祈願するなら、位が1番高い南無妙法蓮華経です」という言葉でした。

何も知らない私は、南無妙法蓮華経はどれも同じだと思い、友人に勧められるままに妙智会や創価学会と、御題目の宗旨をしてみましたが効果は見られませんでした。なかばあきらめかけていた時、ふと思い出したのが長薫寺のことでした。

長薫寺の山門には私が探している「南無妙法蓮華経」と刻んである石碑がある。そして、15年前に長薫寺まで車で送ってあげた知人が「ここの御供水をいただくと、どんな病気もなおるんだって…」といっていたことを思い出し、あの時一緒に飲んだ「御供水」をいただきに長薫寺へ行ってみようと思ったのです。

このような経緯をへて平成27年8月15日に長薫寺をたずねたのでした。それからは、ほぼ毎日お寺参詣させていただき、毎日御供水をいただきました。日によっては何度となく参詣した日も数えきれません。「藁をもすがる」といいますが、まさにそのような気持ちでした。

最初は懐中御本尊だけをいただいてと思っていたのですが、しばらくして御本尊奉安をしていただきました。御本尊奉安後は、ご利益をいただくにはお教化が一番ということなどをご指導いただき、まず初めに知人の中嶌さん・吉田さん・橋谷さんの3人に「最近おまいりしているお寺に行くから一緒に行かない?」と、お誘いしたところ3人揃ってお参詣していただくことができ、責任教務師に面会していただいて、その場で3人とも懐中御本尊をいただくこととなり、3人の個人教化が成就しました。

3人がお教化になったのは、私が長薫寺へ参詣する前と、その後の姿があまりに変わったからでした。初めて長薫寺に参詣した頃の私は、足が悪く杖をつかなければ歩けなかったのが、すぐに杖がいらなくなりました。

また毎年、喘息が出て毎年のように肋骨を骨折していたのが、一大決心して始めた百本口唱が終ると同時に、咳や喘息がピタリと止まったこと。3人は「そういえば喘息が出ないね。不思議ね…」と、はたから見ていて驚きお教化になったのです。

この3人の次のお教化は、私の母でした。母は「あなたがする信仰ならばお任せする」と言ってくれました。自宅に御本尊を奉安していただき、入信した28年の春先に亡くなったばかりの父のお骨を長薫寺の信友寂堂(納骨堂)に納骨してくれました。

こうして、入信から約1年を迎えた28年9月のこと、健康回復のご利益をいただいたことが嬉しくて、ご恩返しのことを考えていた頃に、責任教務師から「創組誓願を発願してみては」とお話をいただきました。

「創組は3年間で20戸のお教化をすることです」ということだけを聞いて始めたのですが、20戸のうち奉安教化を8戸以上せねばならないことと、それまでにお教化となった知人の3人と母親は、元の組に残して自分ひとりから創組を作っていかなければならないことなどを聞き「果たして私にできるかな…」と心配になりました。

しかし、周りのご信者の皆さんから沢山の応援や「頑張って」という励ましをいただき、とにかく友人や知人、お仕事で我が家を訪ねてくる営業の方などにご信心のことを次々とお話して、お一人、またおひとりと、お教化することができていきました。お教化になった教化子さんにはお寺にお参詣していただき、お講師から懐中御本尊を授与していただきました。

お教化した方の中で一番遠くにお住まいなのは「おじさん・おばさん」と私が呼んでいる戸上さんと庄村さんでした。お二人は大阪と熊本に住いがあり行ったり来たりされています。

熊本にお帰りになる日を聞いてお寺へ一緒に参詣していただきました。お二人と私は古いお付き合いです。この頃お二人とも健康を損なっておられたので、最近の私の健康状態がいいことをお話しすると「ほんとにその通りだ」と、ご自身たちも健康のご利益をいただくために懐中御本尊をいただかれて個人教化となり、お参詣の都合がつく日はお参詣されるようになりました。

ありがたいことに、個人教化であった中島さんと吉田さんは御本尊奉安ができたので、充実教化ということで、創組で一緒にご奉公することができるようになりました。その中島さんが、息子さんと孫さんをお教化され、その後にはお仕事先の方をお教化されました。また、池田さんが義理の妹さんをお教化されるなど、教化孫も誕生しました。

こうして昨年・29年の11月に奉修された高祖会までに、無事創組を成就させていただくことができました。誓願発願から1年2ヵ月後のことでした。

こうしたご奉公の功徳で、一番気がかりだった例の、市民病院の医師から「ガンの疑いがある」と言われていた件についても、ずるずると先延ばしになっていたのですが、熊本地震がある程度落ちついてきたのを機に、意を決して病院へ行くことにしました。

どうしても大学病院が嫌な私は、くまもと森都総合病院へ検査にいきました。ここでも「腫瘍が3個ある」と同じ診断でした。「手術はいつにしますか」と言われましたが、ここでも「手術が嫌なので先延ばしにしてください」とお願いし、御宝前に毎日ご祈願させていただきました。

その結果、手術直前の検査結果で「前回3つあった腫瘍がひとつしかない」という結果が出たのです。先生は「こんなこともありえます。今のところ手術をする必要はないようですし、ガンの疑いもないようです」とのことでした。この時、私は「ご利益をいただいた」と確信いたしました。確かにあった腫瘍が消えてしまうなど思いもよらなかったからです。

喘息、その他の健康のご利益をいただいたことで、権大僧正日薫上人さまへのご恩返しと思って始めさせていただいた創組が達成できて、さらに腫瘍がなくなるご利益までいただいて、心からありがたく思っております。

創組を達成したとはいえ、まだ入信から2年余りの私ですから、教化子の皆さんと横並びでスタートラインに立っているのと同じです。これからも皆さんと一緒に力をあわせて、ご奉公に励ませていただこうと思っております。