ほんもんぶつりゅうしゅう
2014年06月13日
孫がいただいた御利益
第9支庁 松山・松風寺 郷紀代さん(仮名)
 
 
 私には二人の孫がおりますが、平成11年の7月に誕生した2人目の男の子は、難しい病気を持って生まれてきました。無事出産、退院の、まだ御祝気分の抜けない4日目のことでした。産院より電話が入り、「赤ちゃんが全員受ける先天性代謝異常の検査の数値がおかしいので、再検査が必要です。県病院に行ってください」と告げられました。電話を受けたときは、「赤ちゃんも元気だし、何だろうね」ぐらいに軽く思っていましたが、検査の結果は「先天性甲状腺機能低下症」と診断され、しかも一過性のものとは考えられないという残酷なものでした。
 
 この病気の怖いところは、ホルモンが正常に分泌されないため、知能が低下する危険のあることです。すぐにお薬の投与が始まりましたが、治療を受けていても、「1歳頃にはちゃんと喋れるだろうか」「他の子供と比べて、何か変なことはないだろうか」等と、不安の種は尽きませんでした。
そこで、とにかく今度ばかりは、御宝前さまにお願いをするほか、私たちにできることはないと覚悟を決め、まず娘に金御本尊をお迎えして、御法さまにおすがりすることを勧めました。娘は素直にご信心を受け止め、平成12年に金御本尊さまを奉安させていただいて、口唱やお給仕に努めるようになりました。
 
 一方で私も、前々よりお祖師さまの御尊像をお迎えしなければと思いつつ、決心ができずにおりましたので、この機会にきちんとお迎えさせていただくことに致しました。平成13年の10月、我が家に待望のお祖師さまをお迎えすることが叶いました。お祖師さまをお迎えできたことは、つくづく良かったと思います。御宝前が明るく荘厳になり、何よりお祖師さまの眼を拝見して、一心に御題目をお唱えすることができるようになりました。そして私は、孫が三歳を迎えると大切な検査がありますので、このときには治っていて欲しいと願い、一生懸命にお看経をさせていただくようになりました。
 
 昨年の7月、3歳のお誕生を迎えた孫は、いよいよいったん薬の投与を止めて、ホルモンの分泌の有無を確認する長時間の検査を受けることになりました。この日、私は仕事がありましたが、心の中では一日中、「南無妙法蓮華経」と御題目を唱えておりました。やがて娘から、検査の結果の連絡が入りました。ホルモンはちゃんと分泌されております。これでお薬も通院も終了です。先生からは「過去に治った人は1パーセントぐらいしかいませんよ」とも言われたそうです。その言葉を聞いたとき、私は思わず涙がこぼれ、孫を助けてくださったお祖師さまに、心から感謝をさせていただきました。
 
 お陰さまでその孫も4歳になり、元気に育っております。御法に助けていただいたご恩を忘れず、しっかりと娘の家族がご信心を相続できるよう、育成に努めてまいりたいと思っております。ありがとうございました。
 
 
平成15年10月5日発表