ほんもんぶつりゅうしゅう
2014年12月17日
「大火傷が一晩で元通りに」—楽しみにしていた団参に参詣でき感激—
第5支庁 東京・清流寺 内山フミさん
 
 
 清流ニューズ10月号の編集を進めていた席上、当山婦人会の副会長・内山フミさんの驚くべき体験談を聞き、早速お伝えすることにした。因みに内山さんは教化賞を何度もいただき、教化子を立派なご信者に育て上げている篤信の方である。

 今から11年前の平成15年9月3日、夕食の支度をしている時のことでした。お寺の行事の準備でご奉公が続いていたので、今日はそのうめ合わせにと活きのいいエビのフライを揚げ終わった時でした。主人と一緒に仕事から帰って来た一人息子が、「オッ、エビか。天麩羅が食べたいナ」と言うのです。わがままなと思いましたが、それでご奉公がしやすくなればとフライを揚げ終わった油を漉(こ)すために左手に持った漉し器へ移そうと、揚げ終わったばかりのフライパンを傾けた時です。油がゆれたと思う間もなく、漉し器を持つ左手首にどっぷりとかかってしまいました。アッという間にジュッと皮膚の焼ける音を感じたように思いました。
 
 「さぁ大変、明日は長寿会の買物に役員と出かけなくてはならないし、6日には八戸の広流寺への団体参詣も控えているのに…」と思いながら、すぐ洗剤で油を落として水道の水で冷やしました。びっくりする主人に「お油さんを取って」と叫びました。本山でいただいたお油さんをお勝手の引き出しにしまっておいたのです。そのお油さんを左手にたっぷり塗りつけました。左手はまっ赤になり、野球のグローブのように腫れ上がっています。その痛いことと言ったらズキズキ、ピリピリ、がまんができない程でした。
 
 しかしどうしたことか、心は案外落ちついていてボールの中の氷水に手を浸しました。無意識のうちに御題目をお唱えしながら、ひたすら御法様におすがりしておりました。氷水がぬるくなり、四度程取りかえ、最後は冷凍食品までつかい、とうとう午前1時すぎになってしまいました。冷やしている時こそ痛みを感じないものの氷水をとりかえる時の痛みは言葉では現わせない程です。さすがに疲れ果て、翌日早朝から仕事に出かけなければならない主人共々、いつか眠りに落ちていました。
 
 翌早朝、起き出した主人が「手はどうなった」と尋ねてくれました。ハッと気づいて左手を見ると何ともなっていません。「ホラ、何ともないよ」と主人の前に出すと主人も驚いています。「御法様に助けていただいたのだ」と思うと嬉し涙が止まりませんでした。もちろん、御宝前に御礼のお看経を上げさせていただきました。おかげで家の仕事を済ませてご奉公にも出られ、楽しみにしていた広流寺の御会式にもお参詣することができたのです。
 
 現代医学では考えも及ばないご利益をいただいた私は、一層ご信心に励まなくてはならないと決定させていただきました。ありがとうございます。