ほんもんぶつりゅうしゅう
2015年08月11日
吉田愛子さん(千葉・唱題寺信徒)昭和3年(1928)生〔終戦時 17歳〕

『ここは、お寺の人たちだから、ダメだ』

昭和15年(1940)、それまで鉄道の軍属として中国に出征していた父が帰国、家族を全員引きまとめて南京へ渡り、南京・佛立寺での生活が始まる。1943年に父が得度。終戦を迎えると、中国軍が佛立寺を接収し追い出され、南京の日本人居留民の収容所での生活を余儀なくされる。帰国命令が出され、貨車で移動中、中国の兵隊たちからの襲撃に遭う。その時、荷物の上に安置した御本尊・御尊像を取り囲み、御題目を唱え始める父。それにひとりの兵隊が気づき、僧侶だということを理由に他の中国兵から守ってくれ、無事に帰国できるというお計らいをいただく。戦争中に得度されたお父上の想い、そして数々のご利益についてお話をうかがった。