ほんもんぶつりゅうしゅう
2015年08月11日
大井孝夫さん(千葉・唱題寺信徒)昭和10年(1935)生〔終戦時 10歳〕

『灯りを小さくし、声を殺して御題目を唱えました』

大阪・清風寺の佛立開拓団として、家族で満州に渡る。馬賊の襲撃に備えながらも、四季を感じ、日々平穏な暮らしをしていたが、1945年8月17日、「8月15日に日本は降伏したから、一刻も早くこの場を去らなければならない」と伝えられる。その晩、安全のため部落の全8家族が1軒の家で、御題目を唱えながら一夜を過ごす。9月に入り、貨車を乗り継ぎ、引揚船で2ヶ月かけて帰国。途中で蒸かしたさつまいもを食べた時は、美味しさと安心で、誰もが涙を止められなかったという。戦争とは程遠かった満州での生活から一転、息を潜め、襲われる恐怖に震えながら過ごした日々をお話しいただいた。