ほんもんぶつりゅうしゅう

2024-02-27 09:00

YOKOHAMA LAGOON 今週のボーズワード 「大事」

今回のボウズワードは「大事」です。

大切なこと、重要なことを大事、と言いますよね。その中でも特に大変な事があったら、家の一大事、国家の一大事なんていい方します。これも仏教に関係のある言葉なんです。

元々は論語の、「小利を見れば、即ち大事は成らず」(論語 子路)と大業、といった意味の言葉だったものを、仏教が中国に入ってきたときに、修行をして到達する所、仏様になることや、その仏様の願われたことを大事と呼ぶようになったんです。

お経典には「我此の大般泥洹(ないおん)に住して能く大事を為す」(佛説大般泥洹經 法顯譯 大正蔵経12巻870頁)とか、「諸仏世尊は唯一大事の因縁を以ての故に世に出現したもう」(妙法蓮華經巻一方便品第二 鳩摩羅什譯 大正蔵経09巻7頁)とありまして、成仏という意味や、あるいは仏様がこの世に現れた目的、理由という意味で使われる様になりました。特に仏様のこの世に現れることは、大事の中の大事、もっとも大切にしなければ成らないということで、一大事、なんて言うようになったんです。

そこから時代が下るにつれ一般でも使われるようになり、「さて囃子の大事には」(仮名草子 竹斎著)なんて物事の核心や、真髄となることを大事と言ったり、あるいは仏様が現れるほどの大きなことということという意味で、「人の身には一期の終りをもって一大事とせり」(保元物語 平安末期)なんて、命や、物事の存亡にかかわるようなことを、一大事という様になりました。

こうして元の意味を見ていきますと、自分にとっていちばん大切にしなければならないこと、自分の一生をかけてでもたどり着くものという意味の言葉なんですね。

開導聖人の御教歌に「しぬる日を 心にあすと 定むれば けふの一日ぞ 大事なりける」(本化高祖記年録 三 表ウ)とあります。どんな人でも、いつかは死を迎えます。それがいつ来るかわからないからこそ、一日一日を大切にして、自分の人生かけて目指す目標にむかって努力、積み重ねていくことが大事です。

人生、誰もが迎えることになる一度っきりの一大事。悔いなく生きていけるよう、人生の大事を見つけられる一週間を。

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