ほんもんぶつりゅうしゅう

2024-02-20 09:00

YOKOHAMA LAGOON 今週のボーズワード 「行儀」

今回は行儀です。

行儀といいますと、礼儀正しい人や、立ち振舞がきれいな人を、行儀が良いといったりしますよね。これも仏教用語なんです。

元々は、行いと儀法、決まりごと、を合わせた言葉で、仏様の立ち振舞、決まりごとを表す言葉でした。お経典には「是諸々の衆生、此菩薩の身口意の行、儀法、語論を見、心即ち浄きを得て、礼敬して随順す」(自在王菩薩經 鳩摩羅什譯 大正蔵経13巻934頁)とか、「修行儀軌」(諸佛境界攝眞實經修行儀軌品第六 般若譯 大正蔵経18巻280頁)とあって、仏様の堂々とした美しい立ち振舞や、それを学ぶ修行の決まりごとという意味の言葉なんですね。

それが後の時代には、「行儀とは行事の軌式を謂ふ。像末の教を以て行儀を顕さずんば安んぞ能く久しく住せんや」(四分律行事鈔資持記 元照撰 大正蔵経40巻161頁)と、仏様が亡くなって後の時代の修行者たちにとって、その振る舞いを学び整える事が大事な修行とされました。そして儀式、姿を整えるための決まりごとのことを、行儀というようになりました。

それが、室町時代には、一般でも使われるようになり、「ふだんの行儀を委(くわ)しく知りて候」(御伽草子 猿源氏草紙)と、礼儀作法全般を指す言葉に変わっていったんですね。

元の意味を見ていますと、仏様の立ち振舞を表す言葉だった。

その立ち振舞が重要視されたのは、その行い、姿の美しさ、正しさによって、初めて人が尊敬をし、立派な方だと受け取ってもらえる。教えを聞き入れてもらえるから。その第一歩として、この行儀を学ぶということが重要視されていました。

開導聖人の御教歌に「言の葉と 身の不行儀を たしなめば それで世間の 常の人なり」(大折本)とあります。行儀がよろしくない、人のことを考えない人は、かえって自分も安く見られ、自分も同じ様に扱われることとなります。行儀を整えて、初めて人は一人前に見られます。さらにそこが美しければ、それだけで人は敬われたり、話す言葉も重んじてもらえます。

よくない行いはたしなめて、行儀よく、人に美しいと思ってもらえる、尊敬される一週間を。

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