ほんもんぶつりゅうしゅう

2020-04-01 12:21

お参詣と御法門聴聞

 お参詣はお看経に並ぶ、信心の根本といえる大切な修行です。「お寺は宝の山」「ご利益はお寺の御宝前からいただく」「一日一度はお寺の土を踏め」と昔から教えられており、参詣はご利益をいただく上で欠かせません。

参詣の原点
 今から三千年ほど昔、仏様がご在世だった頃も、救いを求める人は仏様の元を訪ねて御法門を聴聞し、修行をしてご利益をいただいていました。それは今も変わりません。
 現在の仏様はお寺の御本尊。教えを聞くとは御法門聴聞。修行とは御題目の口唱行です。お寺参詣をさせていただき、御法門を聴聞してお看経をあげることで、ご利益をいただいていくことができるのです。

参詣の功徳
 お寺に足を運ぶには、時間を使い、身体を使い、場合によってはバスやタクシー代などのお金を使います。天候が悪い場合や、遠距離を移動することもあるでしょう。家にいたのでは、しなくてもよい苦労を、仏様の元を訪ねるためにさせていただくのがお参詣なのです。
 お参詣は信心の表れであり、その信心によって大きな功徳を積むことができるのです。

御法門聴聞
 仏様の元を訪ねて法を聞くのが参詣の本義ですから、お参詣の目的は御法門の聴聞にあります。お寺や御講に足を運んでも、御法門を聴聞せずに帰るのは半分のお参詣です。当然、功徳も小さなものになってしまいます。
 ご信心は、ご奉公のやり方を覚えることも必要ですが、それだけでは正しく行じることはできません。形のことはよく分かっていていても、教えの理解が浅ければ仏様のみ心に叶ったご奉公ができないからです。
 また仮に理屈の上では理解をしていても、み心を実践できていなければ知らないことと同じです。結局ご利益のいただけないご信心になってしまうのです。
 御法門は信心の教科書です。御法門を聴聞して教えを知り、自身の信心を振り返ることでみ心に叶った、ご利益のいただけるご奉公ができるようになるのです。

御講参詣
 御講参詣をするうえで一番大切なのは御法門聴聞です。開導聖人は御講を「解説教導の場」と仰せになりました。仏様の教えを説き、解らせ、教え導くための場所が御講なのです。
 開導聖人は「信心をしていても、御講参詣をしなければ信心をしていない人と変わりがない」と御指南くださっています。それだけ御法門の聴聞は大切であり、法を聴くからこそ功徳の積み方がわかり、ご利益がいただけるようになるのです。
 大切な御法門が説かれる御講を勤め、参詣をすることは佛立信心の命ともいえるご奉公です。喜んで参詣し、喜んで聴聞をする「善聴参詣」を心がけましょう。

御指南
 寺を建立するは弘通所なり。本尊を安置し参詣せしめて、法を聴聞せしめんがためなり。ほかのことなし。