ほんもんぶつりゅうしゅう

清流寺 オーストラリア教区


2022-11-15 05:15

下種結縁の御奉公と家族の変化

ありがとうございます。 荒木香里です。

あと少しで今年の弘通年度が終わろうとしています。
御弘通の面でこの一年を振り返ると、私は約10人の宗外の方に本門佛立宗を紹介させていただいたり、一緒に御看経を唱えさせていただきました。その内の2名の方が教化となり、他の方々にはそれ以降も継続してコミュニケーションを取っています。


私は普段、自宅で足裏療法の施術をさせていただいています。足裏療法というのは、健康維持に効果があり、体質や不調の改善に役立てていただくこともできます。
相手の方の不調の原因について、足裏から分かることもあれば、ご本人から直接話を聞かなければ分からないこともあります。こちらからのアドバイスを求めてきて下さる方が殆どなので、初対面でもご自身の話をしやすい雰囲気を作るように心がけています。その不調の原因が複雑であればあるほど、相手の方の表情は緊張しているように見受けられますが、少し私の自己紹介をしながらお相手の足を触って分かる事を伝えていくうちに、どんどん緊張がほぐれ、少しずつご自分の悩みを話して下さるようになります。「こんなことまで話すつもりじゃなかったんですけど・・・。」と仰る方も多いですが、それを話して頂く事でより相手の方に必要な施術やアドバイスが可能になります。

数年前の私は、私の得意分野である足裏療法で相手の方の役に立ちたいという意識を持っていました。でも、確実に体調が変わって、悩み事が減ってきた実感が相手の方にあったとしても、施術を受ける事を継続していかなければ維持はできません。
有り難いことに私は普段体調に悩むことがあまりないので、これは御信心のお陰だといつも思っていました。朝夕の御看経や目の前の御奉公に躊躇しないこと。それが私の健康の秘訣だと思っています。


ある頃から、その事実を私のところに来て下さる方々にお伝えしなければならないという使命感のようなものを持つようになりました。御教化が成就するかしないかよりも、私が一人でも多くの方に御信心をお伝えして、一緒に御看経を上げるきっかけを作ることで、相手の方の人生が変わる可能性があると思うと、話さなければならないと思うようになりました。
それまでに下種結縁の御奉公は何人かの方にさせていただいて、その度に「もっとうまく御信心について伝えられるようになりたい」と思っていましたが、何度も御信心について話す機会を与えられる度に、だんだん身構えずに相手の方に話せるようになっている自分に気付きました。

そのうちに「今から一緒に御題目を唱えてみたい。」「今日は時間が無いので、次回一緒にやってみたい。」という反応が増えてきたので、私にとって足裏療法は下種結縁のツールの役割になったんだと実感するようになりました。

そんな中、御奉公の対象が、子供の通う学校の保護者としての知り合いや同じ職場の方に向くようになりました。
ある日、スーパーで買い物をしている時に娘の友達のお母さんに偶然会ったので、挨拶のつもりで声を掛けてみました。実は、娘からその友達が学校に来ていないという話を聞いていたので、何かあったのかな?と暫く前から思っていました。そして、お子さんについて聞いてみると、数か月前から日常生活に支障が出るほどの腹痛があり、いろんな検査をしても原因がわからないと話してくれました。その方は日本人ではないのですが、どうにか力になりたいという気持ちから反射的に「私は足裏療法をやってるんだけど、その子をうちに連れてきたら、何かお手伝いできるかも。 」と伝えると「今日連れて行ってもいい?」と言ってくれたので、その時に初めて私の住所と携帯の番号を渡しました。その日の夕方、そのお母さんとお子さんが2人で私のところにやってきました。お子さんの状況について話を聞きながら施術をし、御題目を唱える事で不思議と良くなったり、原因がわかるようになるという話をしてみました。その時はとても興味をもってくれたのですが、後日そのお母さんから電話があり、専門の先生との診察を数日後に控えているのでそれが済んだら、改めてまた私の所に戻ってきたいと話してくれました。その時に「いつでも私はここにいいて、お子さんとあなたの事を祈っているから、祈る為だけでもいいからいつでも来てね。」と伝えると「本当にありがとう。」とお礼を言ってくれました。今振り返ると、あのお母さんと御信心の話をするようになるとは思っていませんでしたが、下種結縁させていただく相手は常に身近にいて、御信心の話をするタイミングは御宝前が必ず与えて下さることをその方を通じて実感できたように思います。

不思議な事に、御信心や御題目について誰かに伝えたり、その方と一緒に御看経を上げる度に、私の家族の問題が一つずつ無くなっていきます。特に長男は去年の6月頃に心を病んでいることがわかり、そこから私の大改良が始まりました。それと同時進行で、この一年継続てして下種結縁の御奉公をさせていただいていましたが、その度に長男の問題が一つずつ解決し、去年と今を比べると身体面、精神面、共に全く別人のように変わってきました。下種結縁の御奉公をさせていただく事で長男に影響していた私の罪障が一つずつ消滅されたのではないかと思うのです。息子が良くなるのであれば、家族全体が良くなるのであれば、下種結縁の御奉公を躊躇している場合ではありません。今までの御奉公と家族の状況を振り返ると、どの御奉公もさせていただいて有り難かったと思えるものばかりです。

これからも与えられた御奉公で誰かのお役に立てるように、教えていただいた事を実践し、積み重ねていきたいと思います。