ほんもんぶつりゅうしゅう

清流寺 オーストラリア教区


2021-10-04 21:21

御教化体験談

ありがとうございます。
オーストラリア教区、クィーンズランド組の荒木香里と申します。この度、以前から親交のあったインドネシア人のロジータ・ムサさんを御教化させて頂き、クィーンズランド組に新たな信者が増えることになりました。ロジータは、家族に日本人がいるわけでもなく、日本語も全く分かりませんし、仏教徒でもありませんでした。それでも、ロジータを御教化させて頂くまでに、苦労や悩みはあまり感じず、自然な流れで御教化成就に繋がったように感じています。
ロジータと私が初めて出会ったのは、約7年前の事でした。私は、自宅で足裏マッサージをさせて頂いていますが、以前から私のところに通ってくれていた一人の友達が、職場の同僚であるロジータを連れてきたことがきっかけでした。それ以降体調の変化がある度に私に相談をしてくれるようになり、時間を重ねていく中で、お互いに信頼し合い、親子のような関係になっていきました。
2年程前に、いつものようにロジータが私の施術を受けている際に、突然泣き出したことがありました。理由を聞くと、30年ほど前に、当時4歳だった娘さんがプールで亡くなったと話てくれました。ロジータには離婚歴があり、既に独立している息子さんがいる事は聞いていましたが、娘さんの事は聞いたことはありませんした。ちょうど数日後、私達の担当である平松御講師がこちらに来て御奉公して下さる予定になっていたので、御信心で娘さんの御回向をさせて頂く事をお勧めしました。ロジータは、迷う事なく、自分の宗教とは違う仏教、御信心で娘さんの御回向をすることを決めてくれました。実際に平松御講師とロジータと私の3人で御看経を上げた際、慣れない御題目を一生懸命娘さんの為にお唱えしているロジータの姿はとても印象的でした。平松御講師もロジータのまじめな姿勢を褒めてくださり、私もとても嬉しかったことを覚えています。

その後暫くしてから、私のスマホにロジータからメッセージが届きました。30年前に離婚してから全く会っていなかった元御主人が突然家に戻ってきたという内容でした。元御主人はロジータと離婚してから直ぐに再婚し、新しい家庭を築いていましたが、奥さんから家庭内暴力を受け続けており、今回ロジータの家に避難してきたとのことでした。ロジータの気持ちを考えると私はとても複雑でしたが、御回向させて頂いた娘さんがまた家族が一つになる事を望んで、2人を引き合わせてくれたのではないかと思いました。でも、当時の私にはそれを現証の御利益として説明する自信がありませんでした。ただの偶然で起きた事として、きちんと理解されない気がしたからです。そのまま、暫く時間が過ぎ、元御主人は再び奥さんの元へ帰って行ってしまいました。ロジータは、彼の判断だからと特に気に留めている様子がなく、割り切っているように見えました。
私はその後もロジータの娘さんの御回向は続けていました。ロジータにもそのことは伝えていましたが、一緒に御回向をしようと誘うきっかけやタイミングがつかめませんでした。今年9月に入り、もうすぐロジータの娘さんの祥月命日が来ると気付いた時、ロジータに「今年の祥月命日には一緒に御看経を上げて御回向させて頂こう。」と提案をしてみました。ロジータは、迷わずに「そうね。その日は仕事も休みだからいつでも来られるよ。」と返事をしてくれて、当日を迎えました。2年前の平松御講師と御看経を上げた日の事がよみがえりました。ロジータは慣れない無始已来と御題目を一生懸命お唱えしてくれました。御看経が終わって「必ず現証が起こるから、何かあったら教えてね。」とロジータを見送りました。
その次の日、ロジータからメッセージが届きました。「カオリ、本当に不思議。元旦那がまた帰って来た。」というのです。今回は、負傷した状態で戻ってきたようで、ロジータも少し動揺している様子を感じました。もう一度一緒に娘さんや元御主人の為に御看経を上げようということになり、次の日にまた一緒に御看経を上げさせて頂きました。その時には、もう説明は不要だと感じたので「また家族が一緒になって幸せになる為に、私も全力でサポートするから、改宗の決心がついたら、この紙にサインして持ってきて。」と入信書を渡しました。それから約1週間後、入信書にサインをしたという報告を受け、101日を入信日として懐中御本尊を奉安させて頂く運びとなりました。奉安の際に、最低限の御給仕の仕方、御看経の上げ方などを説明しましたが、ロジータの「知りたい」という純粋で素直な気持ちのお陰で、英語での説明も特に不便を感じませんでした。
今までの私達は、日本語での御奉公が主でしたが、今回ロジータの入信がきっかけとなり、クィーンズランド組の在り方が変わっていくことは明確です。私達にとって、大きなチャレンジですが、御教務の方々からのご指導やサポートを真面目に受け止め、御法門で教わった通りの実践を重ねていくことで、御宝前はきっと私達をあるべき姿、状態に導いて下さると思っています。
これからもクィーンズランド組は成長を続けていきます。
今後共、どうぞ宜しくお願い致します。

荒木香里