終戦70年特別企画『戦争の記憶』

川井日陵上人(横須賀・信常寺住職)昭和5年(1930)生〔終戦時 15歳〕

『父から軍隊に行く代わりに、必ず得度(出家)しろといわれた』

父親の仕事の関係で、小学3年生のころに南京へ移り住み、その後中学に進学する。この頃から大東亜戦争が始まり、中学2年生から応募できる志願兵制度に、親に黙って志願。試験を受け、合格通知が届く。両親は、反対すると「非国民」と言われる世の中のため、複雑な心境のまま、苦肉の策に「得度」を約束させる。軍への入隊に憧れ、お国のために死ぬことは名誉、と子どもたちを育てた、当時の日本の教育。それと同じくして、戦勝祈願をしてきた本門佛立宗の信心に疑問を持つようになる。しかし、戦後、頂戴した現証の御利益に心を動かされ、得度を決意する。そんな純粋でまっすぐな心の動きや想いを中心に、戦前戦後のできごとの流れを伺った。