ほんもんぶつりゅうしゅう

2021-06-04 10:12

6月4日の「毎日ぶっきょう」

どんなことでも最初は「見習い」というように、見た通り、教えてもらった通り実践することに終始します。そうやって形から入り体で覚えていく中で、どれだけ問題意識を持てるかどうか、そこが今後を左右します。「どんぐりの背比べ」から抜け出してステップアップしていくのは、やはり基本原理を探ろうとする人です。

 

昨日の記事でも書いた通り私は料理が好きで、焼く・煮る・蒸す・揚げる、それぞれチャレンジしてきました。その中で最も誤解していたのが「揚げる」で、基本原理を知るまでは単に《衣を作ること》だと思っていました。なので「わざわざ衣をつけて食べることもないだろう」と思い、あまり揚げ物は好んで作っていなかったのです。

 

しかし、何かの料理番組で「揚げる」の解説がされていて、そこで初めて「揚げる」の意味がわかり驚愕。「何のために衣をつけて高温の油の中へ入れているのか」が理解できた瞬間、揚げ物に対するイメージが変わり「これは食材を美味しく調理して食べる1つの手段方法なのだ」と納得して、選択肢の1つとなったのです。

 

天ぷら職人の早乙女哲哉氏は、天ぷらを「揚げる」ということについて、次のように話しておられます。

「私の出した結論は蒸すと焼くとを同時に行うという事。この理論を認識していれば、魚のクセを取ったり、衣をいかにつければよいかといった事が自分自身で把握できるようになります。理論はよく分からないが、油の中に入れていれば勝手に揚がるなどと思っていると、自分から何かを仕掛けていくことなど不可能で、経験が蓄積されていきません。」

 

単に言われたことを、言われた通りにやっているだけでは、それ以上の成長は見込めないのではないでしょうか。自分がやっていることを正確に筋道立てて話ができる、そこまで探求し理解を深めてこそ「ものにした」と言えます。常に問題意識を持って目の前のことに取り組み続ける、これもまた一流になっていくための思考と行動なのでしょう。

 

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