ほんもんぶつりゅうしゅう

2021-02-15 10:25

2月15日の「毎日ぶっきょう」

「情けは人の為ならず」

人に情けをかけることは、その人のためになるだけではなくて、自分のためにもなるという意味の言葉です。これは仏教の極意と言っても過言ではないほど、人生の確信を突いた、見事に的を射た言葉であると言えます。普通、自分の願いがあれば、まず自分の願いから叶えようと考え、行動するのが一般的な思考回路です。これは「自分の子孫を残すこと」が大目的である動物にとっては、本能的な思考であるといえます。

 

しかし、この思考回路では、どうしても争いが絶えることはなく、基本的に《弱肉強食》の世の中です。自分たちが獲った物は自分たちだけで食べ、それを狙ってくるものは敵として排除しようとします。逆に、自分たちが飢えて死にそうになれば、誰かから奪ってでも獲物を確保しようとします。家族全員がお腹いっぱい食べた後であれば、それらを《残り物》として放置することはあるかもしれません。ただ、その行為が他の動物に「恵む」「譲る」という行為なのかというと、大いに疑問が残るところです。

 

しかし、人間は「恵む」「譲る」という行為を、自らの意思で取ることができます。たとえ、自分が満腹にならなくても、自分の食べる分が減ったとしても、それが「できる」生き物。なぜなら、そうすることが全体のためになり、ひいては自分自身のためになることを知っているからです。この理屈が理解できて、実際に行動に移していける、そこが「動物」と一線を画するところ。この《真理》を私達に教えてくださるのが仏教であり、仏教にこそ社会全体の調和のカギがあるのです。

 

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