ほんもんぶつりゅうしゅう

2020-07-05 11:50

7月5日の隆宣寺日記

私が子供の頃のインスタント食品は、本当にインスタントな味で「無いよりかはマシかぁ…」というレベルだったように記憶しています。でも、最近のインスタント食品は、本当によくできています。即席みそ汁のコマーシャルでは、プロの料理人が試食をして「これは本当に素晴らしい!素材の味がちゃんと残ってる!」とベタ褒めです。ただ、インスタントはどこまでいってもインスタントです。地道に培ってきたプロの味を越えることは絶対にできません。
 
それは人生においても一緒です。コツコツと地道に築き上げてきたものは、それだけ土台がシッカリしてます。ということは、それだけ堅実な人生が送れるということですし、たとえ、トラブルに遭ったとしても、そうそうのことでは駄目になりません。ぐっと持ちこたえるだけのチカラが、そこにはあります。しかし、インスタントには、それだけのチカラはありません。所詮は、一時的なもの、臨時的なものでしかないのです。
 
冒頭、申し上げた通り、現代のインスタントは本当に良くできています。色んなことを同時にこなすことが求められるマルチタスクの時代では、時としてインスタントが、その場しのぎとして役に立ったり、本当に大事なものを最優先にするため必要不可欠だったりします。でも、そういった一時的なもの、臨時的なものを人生の柱にすると、大きな間違いの元となったり、思いがけない失敗の元となったりします。つまり、使い分けが大切だということです。
 
そういう中にあって、お寺にお参りする、ご信心をさせていただくということは、自分の人生をコツコツと地道に《功徳》で作っていくということです。それは私達の目には見えない大きな柱を、人生のど真ん中に立てるということ。普段、柱の存在感を実感することは、あまり無いと思いますが、地震などの大きな災害が起きた時に「この柱のお陰で…」と実感できるものです。一旦、倒れたしまった家を再建するのは、かなり大変なのと同じで、一旦、駄目になってしまった人生をやり直すのは、多くの時間・体力・お金が必要です。
 
ぜひ、お寺のことはインスタントにしてしまわないで、コツコツと地道に取り組んで欲しいと思います。その効果を今すぐに実感できないかもしれませんが、長い人生、生きている間に必ず実感する日がやってきます。その時に、みんなが笑っていられるように、お寺のこと、ご信心のことはコツコツと地道に!
 
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