ほんもんぶつりゅうしゅう

2021-01-25 10:02

1月25日の「毎日ぶっきょう」

「世智弁聡(せちべんそう)」という言葉があります。世の中のことを詳しく知っているために、先入観などから仏法のありのままを受け入れることができないという意味です。

 

この状態を別の諺で表現するなら「井の中の蛙大海を知らず」ではないでしょうか。井戸の中という限られた範囲であれば、よく知ってる、わかってるという事になりますが、実は、その先入観が邪魔をして、井戸の外側に思いを及ぼすことができない。井戸の外側について、どんなに話を聞いても「それは嘘だ、間違いだ」と言って聞き入れない。たとえ、井戸の外側に興味関心がわいてきたとしても、それを素直に言えず、心にも無いことを言う。虚勢を張り「井戸の中が全てだ!俺はここで十分なんだ!」と自分にも周りにも嘘をついてしまう。

 

仏様の教えというのは、まさに井戸の外側と同じです。私達人間が考えうる思考の外側であり、私達人間の世界観や価値観の外側にあります。つまり、私達の知識や技術という限られた範囲の中では、到底思いつかない理解の及ばない世界。なので、井戸の中の蛙が「井戸の外側」を信じて、思い切って外に出てみるしかないのと同じで、仏様の教えというのは、思い切って信じてみる、教わる通りにやってみるしかありません。そうやって自分の心と体で外側の世界を感じ取るほかに、本当の理解を得る方法は無いのです。

 

ただ、そうやって自分の壁をぶち破るには、大きな勇気と決断が必要となります。それこそ、それだけの動機やキッカケがなければ、はじめの第一歩を踏み出すことが難しいもの。何事もない平凡な日常の中で、それだけの動機やキッカケが生まれることは、あまり無いかもしれません。それでも、人生には何度も難しい局面が訪れるもので、それこそ究極の選択を迫られることもあります。そんな時に自分自身の限界を感じて「やはり井戸から出ないといけない」という思いにもなるものです。それからでも決して手遅れではありませんので、ぜひ思い切ってお寺に足を運んで欲しいと思います。

 

☆朝の御法門(7時)は【ここをクリック】(YouTube)
☆朝の御法門(8時)は【ここをクリック】(YouTube)
 
《お知らせ》
関西テレビ『よ〜いドン!』1月28日(木)9時50分スタート
『となりの人間国宝さん』のコーナーで、月亭八光さんが隆宣寺にやってきました!
その様子が上記の日程で放送されますので、お楽しみに♪