ほんもんぶつりゅうしゅう
2016年02月13日
両親の功徳で護っていただく
第9支庁・松風寺 大川照美さん(仮名)
 
 ありがとうございます。私はまだご信心が浅く、御利益をいただくような御奉公はできておりませんが、夫の両親の功徳で御宝前に護っていただいた体験がありますので、ご披露させていただきます。
 
 6〜7年前の夏のことです。私は仕事に行く途中で、自転車ごと小野川に落ちたことがありました。かれこれ3メートル以上はある高さからの転落でしたが、不思議と私は、顔だけ水面につけて、川の中に普通に立っておりました。いっしょに落ちた自転車も、私の横に、停めたように立っておりました。古いメガネは飛んでしまい、無くなっておりましたが、意識もしっかりしておりましたので、急いで顔を上げて、橋の方に向って助けを呼びました。ちょうど通りがかった男性が引き上げてくれたのですが、上に上がってみると、私の靴とバッグが、まるで揃えて置いたようにきちんと並んでいました。
 
 念のため、病院で検査をしてもらったのですが、お陰さまでどこも異常が無く、目の周りが少し打ち身で腫れた程度で済みました。自転車の方も故障がなく、再び通勤に使うことができました。これは、今でこそ笑い話ですが、どうしてあれだけの高さから転落して、私も自転車も無事だったのか、どう考えても分かりません。普通なら、大怪我をしても不思議ではない出来事でした。ですから私は、このとき、「これはいつも夫の両親が、仏さまに家族の無事をお願いしてくれているお陰だ」と感じ、素直に感謝をさせていただいたものでした。
 
 夫の両親は、結婚当初に大きな御利益をいただいて入信し、以来臨終の間際まで、実に真面目に、一生懸命ご信心に励んでおりました。私は仕事や子育てに追われ、両親といっしょに御奉公する機会はありませんでしたが、大川の家に嫁いでから、そばでその真面目なご信心を、ずっと見ながら暮らしてきました。ご近所の方たちも、そんな両親のご信心振りをよくご存知でしたので、2年前に二人仲良く、相継いで亡くなりましたときには、ほんとうに穏やかな臨終の姿に「さすがにご信心をしている人は違いますね」と口々に感心され、自分のことのように嬉しく思いました。そして、臨終の御利益ということを間近に見させていただき、ご信心の有難さ、大切さを痛感させられました。
 
 今は私たち夫婦がしっかりと両親のご信心を相続し、子や孫たちが御宝前から護っていただくことができますよう、励ませていただかねばと思う日々でございます。ありがとうございました。
 
平成15年11月23日発表