ほんもんぶつりゅうしゅう
2013年05月16日
慢心している自分に気づく——御法のお役に立つ弘通の器を目指して
第5支庁 唱題寺 関根 恵美
 
 ありがとうございます。 唱題寺所属の関根恵美と申します。現在、副教区長、班長、若葉会などのお役をいただいてご奉公をさせていただいております。本日は、入信してからの信行体験談をお話しさせていただきます。
 
 私は今から14年前に入信いたしました。きっかけは、その頃子供がなかなか授 からなかったので、なんのためらいもなく入信いたしました。それからは教化親さんをはじめ教区の方々に支えられて、ご信心が進んできた頃、自分なりにご 祈願をしてみました。御法様には「子供が授かることができましたら、恩返しのご奉公をさせていただきます」「子供には必ず法灯相続をさせていただきます」と、御法様に誓ってのご祈願でした。そして程なくして子供を授かるご利益を頂戴し、今に至ります。 
 
 子育てに追われている中で御法様との約束が気になっているとき、友人がうつ病とアルコール依存で苦しんでいることを知りました。ご信心をお勧めし、担当のお教務さんにも話をしていただき、ようやくお教化になったのですが、とても大変なご奉公になりました。うつ病の彼女に責められ、泣きつかれ、こちらの言うことなど全く聞き入れてはくれませんでした。彼女も苦しかったようですが、私も苦しかったです。どれほど、御法様と自分と向き合ったことでしょう。
 
 その頃、妹さんもうつ病とパニック障害と知り、妹さんを教化させていただきました。教化子である私の友人が育成できる状態でなかったので、私が妹さんの教化親となりました。最初、妹さんはお看経、お参詣をまじめにしてくれていたのですが、ある時から会社の寮に入って生活環境が変わり、その会社の先輩である他宗の人と急接近するようになり、その先輩に感化されて御本尊を捨ててしまったのでした。それを知って私は悔しいと思い、後悔、自責の念でつぶされそうでした。とにかくお看経はしなきゃと思い、御宝前に向かっては涙が出てくる、の繰り返しでした。
 
 ある時、お看経をしていると自分が嫌になってきました。「ちゃんとしなきゃ」「とにかく早く御導師にお懺悔の言上をしていただかなきゃ」と思い、自分でご祈願を決めました。一週間の開門参詣と決め、朝5時半から子連れでお参詣をさせていただきました。4日目だったと思います。御導師にお話しすることができました。御導師はやさしく開門のご祈願を成就すること、そして今度はきっと良い教化子に恵まれますよと言ってくださいました。私はその言葉で救われ、またお教化に頑張ろうと思いました。
 
 次の日、朝参詣で御導師に私のお懺悔を言上していただきました。その1時間ぐらい後、友達からメールが来ました。もう何年も疎遠になっていた友人が入院していて、今まで辛かったと書いてありました。これは御法様からいただいたご縁と思い、ご祈願をして彼女と会いお教化させていただけました。その友達は、このご信心は間違いないと言ってくれました。その教化子が入信わずかにして2人もお教化ができました。御導師が仰ったとおりのことが起こり、今は役中さんの一人として、とても頑張っています。
 
 でも、それからこの2年お教化ができませんでした。一昨年の11月絶体お教化しますと御法様に誓ったのに、下種をしてもお教化に至りませんでした。そして昨年10月頃から焦りはじめ、ご祈願のため時間があるときは、一万遍のお看経を精一杯させていただきました。その時に気がつきました。私は慢心をしていたのだと…ご奉公が忙しいから仕方ないとか、宗外の人に会う機会がないとか、理由づけしていたと思いました。自分の都合ばかり考えるのではなく、一人ひとりと向き合い人を大事に思うこと、人法一箇なんだという思いがこみ上げてきました。お看経やご奉公をさせていただいていれば、またお教化が向こうからやってくると勘違いしていました。
 
 ここから一歩前に進まなきゃいけないと感得した日の夜、10年間疎遠になっていた友人から電話が来ました。その後、下種をさせていただきましたが、まだお教化に至りません。でも、その友達から共通の友人である子から電話があり、大変な事になっているよと聞きました。これから会おうと思っています。まだまだご利益をいただいてほしい知人もいます。ご奉公は思い通りにならないことの方が多いかもしれません。喜びがあれば悲しみもあって、その中で真剣に御法様と向き合えることが大事なのだと思えました。私がこれから自分の都合ばかり考えず、身近な人と一緒に泣き、一緒に悩み、一緒に笑い合えたらまた、お教化というご利益を下さるのかも知れません。わが子の子育てもあり、毎日忙しい中でのご奉公は工夫が必要ですが、みんなと一緒に良くなれますようにとの思いを忘れず、お看経とご奉公に思いやりの心を持ってまいりたいと思います。
 
 また、お教化のみならず、お寺での様々なご奉公においても、他のご信者さんと協力し、支えあい助けあって異体同心でご奉公をさせていただくことの重要性を役中として心から感じております。教化親となり、さらにお役をいただいてご奉公をさせていただける身の上の果報に随喜し、御法様のお役に立たせていただける弘通の器を目指して精進してまいります。