ほんもんぶつりゅうしゅう
2022年09月01日
祝!! 京都佛立ミュージアム10周年記念イベントを開催
8月7日、京都佛立ミュージアム10周年特別イベントが同館で、およそ100名が来場し盛大に開催されました。
平成24年(2012)7月、第一佛立会館(旧本庁舎)造営に伴って誕生した京都佛立ミュージアムは本年、開館から10年を迎えました。
新庁舎竣工及びミュージアム開館を間近に控えた平成24年3月、定例宗会において時の講有日誠上人は「新会館は宗務本庁としての業務の充実のみならず、宗の内外へ働きかけができる宗名宣揚と弘通の発信基地として発展させるため、教講各位の協力を望みます」と仰せになりました。
また、佐藤日凰宗務総長(当時)は、起工式において「無事完成の暁には、この佛立会館が宗の内外、そして遥か海外に向っての弘通の発信センターとなりますことを切望いたします」と。竣工式においては「これから佛立会館を起点に、ますます佛立のご信心を国内に、海外に発信すべく価値ある基地としての確実な飛躍ができていくことが望まれます」と仰せになりました。
同館はこの理念に立脚し、代々の宗務総局及び宗会のご指導とご認許のもと今日まで「生きた仏教を伝えるミュージアム」として運営してまいりました。
「千年の都 京都北野の地で 生きた仏教に出会う」をテーマに誕生した同館は、歴史上の人物や時事的な課題、問題など、興味深いテーマを「仏教」の視点からスポットを当て、アプローチを重ね、「坂本龍馬」、「宮沢賢治」、「長松清風」、「日蓮聖人」、南アメリカの逸話「ハチドリのひとしずく」、原爆の惨禍を訴える「ヒロシマ・アピールズポスター」、焼き場に立つ少年を紹介した「トランクの中の日本」、アメリカ第45代副大統領 アル・ゴア氏の著書「不都合な真実」、持
続可能な開発目標「SDGs」、日本と関わりの深い「ブラジル」や「スリランカ」など、この十年で大小二十六もの企画展を開催。
他にも生涯学習支援プログラム「テラコヤスコラ」、毎月25日には「ほんもんさんアート市」、地域の方に活用いただける「レンタルスペース」、普段着で聴ける「100万人のクラシックライブ」など、今を生きる人々に、躍動する仏教を感じていただくべく取り組みを重ねてきました。
これまでの感謝の思いを込めて開催した10周年特別記念イベントでは、同館副理事長を務める澤田日松師や地元の北野商店街振興組合・桂理事長も来賓として参列。
オープニングは、正面モニターで10周年特別記念映像が上映され、続いて地元上京区にある京都最古の花街「上七軒」より、舞妓・ふじ千代、芸妓・梅志づ両名による艶やかな舞踊が披露され、華やかに幕を開けました。
続いて、長松清潤館長が挨拶を行い、10年を振り返って展示協力者や関係者、来場者への感謝を交え「開館の理念を胸に社会や地域に貢献し、〃生きた仏教〃を伝えていきたい」と述べました。
次に登壇したのは、太鼓芸能集団「鼓童」の名誉団員でもある篠笛・能管・和太鼓奏者の立石雷氏。令和元年に大将軍商店街振興組合主催で「北野ツクモール」というイベントを京都佛立ミュージアムにて開催したことから演奏を依頼。篠笛や能管の繊細な響きが会場全体を包み込みました。
演奏終盤には、同館の今後10年、20年後も変わらぬ運営に祈りを込めた出港大漁の際に唄う民謡を披露。続いて大太鼓の演奏を行い、館内を揺るがし来場者の胸を大いに打ちました。
この日の最後は、アートディレクターでパーカッショニストとしても活躍する画家・塩澤文男氏が登壇。令和元年に同館が開催した「宮沢賢治と日蓮展」のポスターデザインを手掛けた縁から長松館長とのトークセッションを行うこととなりました。
塩澤氏は1986年、岡本太郎氏にインタビューした時に強烈なインパクトを受け、画家として活動をはじめ、現在は京都にアトリエを構え、京都や東京の寺院で全く新しい表現の仏画の制作に挑んでおり、京都の日蓮門下にも12メートルの菩薩画を奉納しています。
長松館長が知人から紹介を受け、偶然出会ったことがポスター制作依頼のきっかけでしたが、元々氏の祖母が東京清雄寺の熱心なご信者で、自身も幼少期、病身の折に「お供水をいただいて命を救っていただいた」ことなどが強烈な印象と残っていることなど、深いご縁があることなどが語られました。
また、本年2022年5月にインド、ブッダガヤの世界遺産・マハーボディー寺院より仏画制作の依頼を受け、来年12月の奉納に向けた活動を開始している。仏教の聖地に日本人が仏画を奉納するという「嘘のような本当の話」であるが、孤児の教育のために小学校を運営しているインド人を支援したことをキッカケに、ご縁がご縁を呼んで仏画奉納が実現した。現代の「わらしべ長者」のような話の展開と館長の軽快な進行でトークセッションも盛り上がり、最後に塩澤氏によるハンドパンの即興演奏が行われ、10周年特別記念イベントが締め括られました。
構内では「ほんもんさんアート市」として4店舗が出展し、来館者を楽しませました。QRコードから特別記念映像を視聴することができます。