ほんもんぶつりゅうしゅう
2024年09月02日
7月10・11日の両日にわたり  第237回臨時宗会を開催する 新講有・日覚上人が初ご来席のなか決算案等を審議
主に昨令和5年度の宗務本庁経常費や宗門諸機関の決算案を審議する第237回臨時宗会が、去る7月10日・11日の2日間を会期に開かれ、7月2日に佛立第27世講有にご晋位された日覚上人が初めてご臨席され御諭告を述べられた後、各種議案が上程され、審議可決された。
宗会開催に先立ち本山宥清寺では開会のお看経が営まれ、病気療養のため辞職された讃岐稔議員(播但布教区選出)に替わる角口博敏議員に新議員の辞令が、また木村日覚上人に替わる新参議・小野山日住師に、それぞれ辞令が下付された。
この後、一同は佛立会館に移動、昼食休憩、議員点呼、開会宣言の後、講有・日覚上人が初の諭告に立たれ「講有は、本門佛立宗の教義の正統を護持し、本宗を総裁すると宗制に定められており、国内・国外、世間・出世間にわたり多事多難の時、その責任の重大さを痛感しております。
今こそ信心改良し御宝前にひたすらお縋りして、ご弘通の大願成就のため、死身弘法の精神でご奉公に精進させていただく覚悟です。
時あたかも、高祖ご降誕800年慶讃ご奉公が円成して、7年後には高祖750回御遠諱の勝縁を迎えるという大事な時期にあります。宗門の未来を輝かしいものとするか、あるいは高祖日蓮大士の正統を継ぐ吾が宗をただ眠れる獅子としてしまうのか、今、その岐路に立たされていると言っても過言ではありません。
世界情勢は相変わらず混沌としており、ウクライナや、パレスチナ等、世界各地での紛争は止まる所を知らず、気候は変動し自然災害も頻繁に起こっております。
高祖ご在世の鎌倉時代と今、お互いが生きてきた昭和、平成、令和の時代とは、相通じるものがあります。高祖が『時の不祥なれども』と仰せのように、こうした悪世だからこそ私たち佛立の果たすべき役割の重大さに心をいたし、ご弘通に励まなくてはなりません。宗内教講の一人ひとりが教化折伏、菩薩行の精神をいかんなく発揮し、皆帰妙法、世界平和確立に向けて邁進することが求められています。
今宗会は、総局にとっても宗会議員各位にとっても今期最後の宗会です。
令和5年度経常費決算を中心に各種決算案が主な議案として上程されますが、護法愛宗の念を以て意見を交わし、慎重審議いただき掉尾を飾っていただきますよう望みます」と御諭告を述べられた。
 この御諭告をいただき宗会議長・吉田日景師が「ただ今は講有上人より、ご就任後最初のご諭告を頂戴し、気の引き締まる思いです。コロナ以降、低迷したご弘通の再興に苦慮する声が多く聞こえる中、我が宗門は新たにご就任された御講有を戴いて、令和13年の高祖日蓮大士750回御遠諱に向かう報恩のご奉公に踏み出します。
宗会はそのための活発な議論を尽くし、宗制に基づく議会運営で活発な弘通活動を喚起して、以て講有上人の御意を安んずることが出来ますよう、異体同心で職責を全うすることをお誓い申しあげます」と宣誓した。
続いて新井日現宗務総長の挨拶では「今宗会は決算宗会と言われ、令和5年度の経常費及び各種決算を審議承認いただく宗会ですが、同時に昨年度の行事等を反省し、これから進むべき道を考える時でもあります。
宗会議員各位には、今宗会において、上程議案の慎重審議をいただくとともに、より建設的な意見をいただき、講有上人のご諭告に沿い奉ることを祈念します」と述べられた。
HBSYの提言も
その後、本格的な議案審議に入り、第1日目は監査報告の後、先の宗会参事会で可決された佛立第27世講有日覚上人 遺嘱伝承の儀式並びに講有晋位及び本山晋山の式典 執行局規定・特別会計規定・特別会計予算案、そして佛立教育専門学校等の宗門諸機関の特別会計決算案、高祖日蓮大士ご降誕800年慶讃法要奉修本部特別会計決算案について承認がなされた。
1日目の最後に、議員側より「京都市有地等の売却に係わる競争入札の実施についての公示による、『本山隣地売却』に対して本門佛立宗が入札参加することを当局に求める件」の議案が発議され、全宗会議員58名中57名の出席で、30名の過半数の賛成をもって発議が成立した。
 翌2日目は、常任委員会・特別委員会報告に続き、HBSY(佛立青少年グローバルネットワーク)より「これから、私たちにできること」の提言が行われた。
 発表メンバーは、
野上  優 ②清風寺
菊野絢太郎 ④妙現寺
豊島 笙子 ④法正寺
永石 彩華 ④妙深寺
髙野 純明 ⑤常住寺
平野ちとせ ⑤清雄寺
城  千晶 ⑩法薫寺
の7名で、5月11日に開催された「次世代信徒育成研修大会」でのまとめとして、
① お寺や青年会が衰退停滞している要因と課題
・ご利益感得ができていない
・時代にあったご奉公ができていない
・魅力的な雰囲気、行事がない
② 本門佛立宗の強みやウリ
・ご祈願とご利益
・居場所と多彩な交流
・精神的な成長と安心感
③ 解決策について
・お寺で就活・転職イベント
・青年会団参(全国青年会キャラバン・青年会団参ツアー)
・「青少年の一座」の定期開催
について、スライドを使いながら各メンバーが提言を行った。
 発表の後は議案上程に戻り、昨令和5年度の宗務本庁経常歳入歳出決算案、財産目録、余剰金処分案、高祖日蓮大士ご降誕800年慶讃法要奉修本部特別会計補正予算案、令和6年度一般会計補正予算案等の各種財務関係の案件。
また特1級拝受者
②浄風寺 土居 稔氏
②浄風寺 渡辺照利氏
②浄風寺 山本政義氏
の3名の議決について、いずれも可決承認された。
 最後に、多国間の国際的な交流、連携を行う弘通体制への移行、発展を目指すため、「海外弘通」を「国際弘通」に変更し、これを統括する「海外部」を「国際部」に改正する弘通局海外部名称変更のための宗法及び宗令一部改正案について採決がとられた。
 宗法の改正は宗会議員の3分の2以上が出席した宗会において、出席議員の4分の3以上で議決し、講有の認可を得なければならないが、全宗会議員58名中55名の出席で採決が採られ、賛成50票、反対3票、白紙2票で、改正案は可決成立し、第237回臨時宗会は閉会した。