ほんもんぶつりゅうしゅう
2022年08月03日
第219回 本山奉仕 初の「教務夫人の部」として開催
6月21日から23日の3日間にわたり、第219回本山奉仕が開催されました。本山奉仕の長い歴史の中で「教務夫人の部」として行われるのは未曾有の試み。高祖ご降誕800年ご正当年の記念すべき加行者は、28歳から74歳までの教務夫人、合計19名でした。
本山奉仕の口火を切るのは本山御宝前での開行式。心地よい雨音が響き渡る本堂に拍子木の音が響き渡り、加行者一同が昇堂。お看経の後、開導聖人尊前において講有上人よりご訓示を賜り、栢森良道本山局長、山内日得弘通局長ご挨拶の後、奉仕長・中西房子氏(鶴松寺)の宣誓が厳粛に行われました。
その後、会場を法悦殿に移し、長谷川孝幸氏(弘通局教養企画委員)によるアイスブレーク。長年にわたり企業研修の講師をされていることもあって、わずか30分で加行者の緊張を解きほぐし、一気に会場全体が和やかな雰囲気に。夜のプログラムでは「セルフケアの時間」としてアロマテラピーを体験。松本裕歌氏(妙福寺)を講師に迎え、座学と体験を行いました。
2日目の午前には再び長谷川氏に登壇いただき、「教務夫人の課題と展望~『ほめる』という価値発見~」というテーマで研修が行われました。「ほめる」とはどういうことか? どのように「ほめる」のか? 改めて「ほめる」ということを学び、班内で話し合い、実践しました。積極的にメモを取り、スライドの写真を撮る加行者が多く、笑い・うなずき・感動で溢れる研修となりました。
午後からは、こども遺族の会「小さないのち」代表・坂下裕子氏を講師に招き「お寺でできるグリーフケア」というテーマで研修が行われました。冒頭、グリーフとは何か?という話から始まり、個別の具体的な事例紹介がありました。涙を拭いながら話に聞き入る方や、メモを取ったり写真を撮ったりする方など、それぞれ積極的に聴講していました。後半には、グリーフを図にあらわして可視化するワークを行い、班内で話し合いながら自身のグリーフについて自覚するキッカケとなりました。
夕看経の後は白石一味氏(弘通局教養企画委員)による進行でワールドカフェ方式の交流会。班の枠組みを取り払い、加行者相互の親睦を深めました。どのテーブルもお喋りが大盛り上がり。滅多にない機会に笑い声と笑顔が絶えませんでした。
最終日は会場を京都佛立ミュージアムに移し「大宥清寺展」を見学。今回の展示を企画した小野山淳鷲師(弘通局教養企画委員)より丁寧に展示の解説をいただきました。その後、佛立霊地に移動。弘通局長導師のもと一座お看経。引き続き小野山師より当地の由縁などについてお話をいただきました。初日の梅雨空から打って変わって、晴れ渡るもとでのご参詣は清々しく、汗ばむ陽気となりました。
長いようで、あっという間の3日間。限られた時間でしたが班内の交流も深まり、年齢や地域を越えて教務夫人同士の繋がりが持てる場となりました。閉行式では講有上人より勤行証が授与され、今回の企画を担当した小林信翠師(弘通局教養部長)より講評。最後に奉仕長補佐・高野徳恵氏(常住寺)より御礼の言葉があり、全てのプログラムが終了しました。
加行者からは「教務夫人としてのお役目を再確認させていただくことができた」「すべて有難い講座でした」「自坊に帰ったら早速、実践したいと思います」「他寺院の取り組みが聞けて良かった」といった感想が寄せられました。