ほんもんぶつりゅうしゅう
2022年10月14日
海外弘通だより~スリランカ編
ありがとうございます。スリランカの経済危機の現状と、スリランカ本門佛立宗による支援活動についてレポートさせていただきます。
 2週間前のモンスーンによりスリランカの水力発電の源となる湖が満ち、発電力が戻ってきたため日々の計画停電が2時間以内に収まっています。大雨による洪水や土砂崩れも所々でありましたが、被害者数が少なく助かっています。
7月9日の大きな抗議活動の後に大統領が辞任させられ、国外滞在のスリランカ人によるスリランカへの外貨振り込みが増えてきたそうで、燃料の輸入が何とか復活し始めております。先々週より国内のガソリン販売も各車両に割り当てられたQRコードによって購入を制限されているので、何日もかかった行列が奇跡的に5~10分の行列へと変わりました。
燃料の輸入が少しでも復活でき、今週に入ってから燃料価格が若干安くなり、計画停電も1時間以内となり、スリランカ国民は今月に入りわずかではありますが安堵しております。
新しい大統領と政府に関しては以前の政府より順調に政治を行なっており、短期的に成功しているように見えますが、長期的に経済危機を乗り越えられる能力があるかはまだまだ疑問であります。そのため、国民はできるだけ早く全国選挙を行うべきであると考えております。
また、新大統領はこの非常事態を悪用し、反政府的抗議活動に参加した社会活動家を逮捕するという脅しを行なっています。非常事態はあと1ヵ月以内に解除されるという噂もあります。とにかく、国全体がそれまでの3ヵ月間より平和になり、日常生活が戻りつつあります。
 ただ、経済危機を収束し完全に乗り越えるために、これからIMFやワールドバンクとの債務に関する相談を進めていきますが、来月はどうなるか、まだ先が見えません。
特にスリランカにとって非常に大きな債権者である中国との外交関係については、つい先日の中国の船「遠望5号」のスリランカ入国をめぐり、インドと中国との衝突により、さらに悪化しました。食品不足の状況もこれから年末年始まで、さらに悪化する可能性もあります。
 燃料問題が少し解決でき、信徒宅でのご奉公も復活し始めております。バスも2ヵ月前より運行しており、個人の車も走れるようになったので、別院や親会場へのお参詣も倍になりました。
スリランカ弘通支援ご有志を下さった方々のお陰で、妙深寺コロンボ別院に屋上太陽光発電システムを導入することができましたが、設置が完成した次の日から、驚くことに電気代が79%も値上げするといったことがありました。しかし、お計らいで値上げされる前にソーラーパネルシステムが設置できて大変助かりました。
 スリランカ本門佛立宗では不足している薬品を寄付するという活動(HBS薬品サポート支援)を行っておりますが、7月にはスリランカ中央部のキャンディ市国立中央病院に薬を寄付しました。病院から心臓手術専用の縫合セットをリクエストされました。私は地元の警察にも手伝ってもらい、何とかガソリンを手に入れコロンボからキャンディへ薬を手渡しに行くことができました。
寄付をさせていただいた薬と一緒に記念写真を撮り、縫合セットの箱は納戸ではなく、そのまま手術室に持って行かれました。話を聞きますと、「これからの手術に必要です。HBS(本門佛立宗)の支援が届くまで1つもなかった。手術も止まっていました」と言われ、佛立宗の支援活動が大変役に立っている様子を見ることができ、大変ありがたく感じました。
 また8月4日に行われた今月のHBS薬品サポート支援で、コロンボから約250キロ離れている世界遺産で古都のアヌラーダプラの近郊である、カハタガスディギリヤ村の国立病院に薬を届けに行きました。国立病院と言っても小さい病院ですが、経済的に大変な村人を支えている重要な病院でした。
アヌラーダプラ県の地下水の問題で肝臓病の患者が大勢います。その日は肝臓病患者のいる家族50軒に向け、同病院にてHBSフードサポート支援(食糧支援)もすることになりました。
そして、8月10日のITN国立放送局の全国ニュースに、そのHBS支援活動が放映されました。ご信者さんも大変誇りをもって結縁者の方々にその映像のリンクを共有していました。HBSフードサポートで、5月から今月までおよそ400軒にフードサポート支援物資を届けております。
 9月からスリランカのペーラーデニヤ国立大学の、経済的に問題がある大学生2名にHBS奨学金支援をスタートすることとなっております。わずか2名の学生を支援するプロジェクトではありますが、スリランカの中では比較的小さい集団である本門佛立宗が、全国的な「人の為の支援活動」を行う先駆者として実施するプロジェクトですので、今後は他の団体などでもHBSの真似をしてサポートをしてくれると大学も期待していて、微力な活動ですが決して無駄ではないと信じております。
 3週間前からお寺参詣が増えており、さらには下種結縁者、初めてお参りをされる方も大幅に増えていまして、喜んでご奉公させていただいております。これまでのスリランカ支援のご有志、ありがとうございました。お礼を申しあげます。今後も、どうぞよろしくお願いいたします。