2026年07月04日
海外弘通だより ~ネパール編~









4月13日から20日まで、昨年延期となっていたネパール本門佛立宗開教10周年の節目となるご奉公をさせていただきました。昨年はネパール国内の政情不安、今回はイラン情勢による不測の事態に備え、長松日桜師と伏見妙福寺・松本現薫師の2師でのご奉公といたしました。
ネパールへ向かう機中、10年前の写真を見返していました。松本現薫師は2016年4月以来9年ぶり。当時の私たちには土地も建物もなく、テントに寝泊まりしながら平和題目塔の建設のためひたすら岩や砂を運ぶというご奉公でした。
入国翌日の4月14日はネパール暦の元旦にあたり、カトマンズ親会場で新年法要を奉修し、多くの参詣をいただきました。その後、題目塔近隣の信徒宅へ巡回助行に向かいました。今やグルンガオン地区は村ごとお教化になったような状況で、そのおかげもあり、地域経済も見事に発展しています。夕方、平和題目塔のある妙深寺ネパール別院で新年法要を奉修させていただきました。
4月15日には、これまで支援を続けてきたサムンドゥラデヴィ学校を訪問しました。今回、ネパール開教10周年の記念ご奉公として、小原旭くんの生涯と佛立宗がネパールで重ねてきた10年の活動を紹介する『ヒマラヤのライオン』を出版し、同校へ贈呈しました。本書は、子どもたちの語学勉強になるよう、ネパール語と英語の対訳形式にしています。子ども向けではありますが、大人にとっても本化仏教や佛立信心に触れる入口となることを願っています。
ヒマラヤにライオンはいません。しかし、世界的作家ヘミングウェイの『キリマンジャロの雪』の冒頭、山頂近くに横たわる一頭の豹の姿に着想を得て、この題を選びました。何のために豹は獲物もいない高所まで登ってきたのか。何不自由ない日本での生活を離れ、ネパールまで支援活動・菩薩行に来た小原旭くんの姿を、その豹に重ねました。
また、お祖師さまは門下に「師子」「師子王」たることをお諭しですので、ネパールで菩薩行に励む人たちを「ヒマラヤのライオン」と表しました。約100ページの本を手にした学校の先生も「自分が写っている」と感激してくれました。写真に写る子どもたちも、今では20歳前後になっています。この本が同国弘通の一助になることを心から願っています。
4月16日はタナバンジャン地区で巡回助行を行い、その後、ネパール別院の平和題目塔前にてブッダ・エンライトメント・フェスティバルを開催し、皆で小原旭くんのご回向をさせていただきました。
4月17日は早朝に出発し、見習い修行中のウッタン君の実家へ御本尊のご奉安に向かいました。学徒のビカスがお折伏を重ね、1つの謗法物もなく家族全員で御本尊をお迎えしました。妹さんが毎日御宝前をお給仕くださるとのこと。ウッタンと同じく、真面目で純粋な姿に胸を打たれました。
同じ4月17日、コレイア清行師とウィニーさんの第1子となる2900グラムの男の子が無事に誕生しました。南伝仏教では5月の満月を「ブッダ生誕日」として祝いますが、ネパールではその直前の新月の日を「母の日」とするそうです。
2026年は4月17日がその日にあたり、約3000年の時を超え、ブッダが生まれたネパールの地に佛立教務の子息が誕生したことを、心から嬉しく、また特別な意味のあることと受け止めています。尊い第1子のお名前を「玄義」と命名させていただきました。ここから、また新しい物語が始まります。
4月18日には、カトマンズ親会場で御会式を奉修させていただきました。今回のネパール出張は特に重要な節目でした。ネパールのお正月、母の日、新月の夕方に赤ちゃんが産まれ、ビカスのお母さんの3回忌祥月命日、ユブラージのお父さんの1周忌祥月命日が重なるなど、妙不可思議のタイミングが続きました。
開教から10年。挑戦と失敗を繰り返し、大きな山を何度も越えながら今日を迎えることができました。御会式では、住職より新たな決断と方針をお伝えしました。
先日、ブラジル教区長のコレイア日友御導師に清行師とウィニーさんをブラジル教区でご奉公させていただきたい旨、正式にお願いをしました。外国人がネパールでご弘通することは極めて困難でした。その中で清行師はよくここまでご奉公してくれました。御許可をいただき、8月に2人はネパールを離れ、ブラジルへ帰国します。
清行師の後を受け継ぐのは、カドゥカ清地師。何としてもネパールの法灯を消してはなりません。このためビカスとウッタンの得度の申し出を許可しました。2人はさらに修行を重ね、去る6月6日、妙深寺の開導会併先住日爽上人御27回忌第1座において、無事に出家得度することができました。
これからも、険しく厳しい時代が続くと思います。それでも負けずに、挑戦を続けてまいります。