ほんもんぶつりゅうしゅう
2022年05月01日
第31回研究発表大会を開催 コレイア日友師よりLGBTQの講演いただく
去る3月29日、佛立教育専門学校と佛立研究所共催の「第31回研究発表大会」が、宗務本庁3階宗会議場にて開催され、玄題三唱、新井日現宗務総長・亀井日魁学校長の挨拶、修学塾教員委嘱状交付と続き、講有上人より御訓示を賜った。
 今回も新型コロナ感染拡大防止対策のため、修学塾教員研修会参加者以外の教務・一般の参加者にはリモート形式が取られた。またコレイア師による特別講演と鈴木英信師の研究発表は、ブラジルのコロナ状況を考慮して当初はウェブ中継の予定だったが、通信の不具合等の恐れがあることから、事前撮影したビデオの視聴という形となった。

コレイア日友師の特別講演

 講演に先立ち、研究所で弘通・教学両部門の共同研究としてLGBTQに関する問題を3年間、取り組んだまとめとして、ブラジルにおける現状と問題に向き合いご弘通ご奉公を進めてきたコレイア師に講演をいただくことになったと説明があった。
そして午前11時10分より、ブラジル教区長・ブラジル中央寺院日教寺住職・コレイア日友師による「LGBTQ~ブラジル教区での現況について~」のテーマにて特別講演が行われた。
 昼食休憩を挟んで午後からの研究発表では、まずLGBTQについての発表を佛立研究所・鈴木英信師が行ったビデオを視聴した。
①「誰でも安心できるお寺に~LGBTQと佛立宗」研究員鈴木英信師
 視聴後、鈴木師はブラジルからリモート参加の形をとり、パネルディスカッションへと移った。

パネルディスカッション

 研究所副所長・河野彰国師の司会進行により、当日の参加者より選出された妙修寺住職・齊藤日堅師、尚立寺住職・川手信敬師、佛立研究所副所長・局日遙師、研究員・石岡日敬師、研究発表者の鈴木英信師をパネラーとして、LGBTQの諸問題について昨年発表の川手師・石岡師が、その後の報告も含めた議論が交わされた。
 パネルディスカッションに引き続き、次の研究発表が行われた。
②「葬儀の必要性に関する一考察」 研究員 鈴木光典師
③「徳川光圀と法華信仰」 学校 金澤廣善師
 最後に佛立研究所所長岡居日実師の閉会の辞をもって、この日の研究発表大会が無事に終了した。

コレイア日友師特別講演「LGBTQ~ブラジル教区での現況について~」

 LGBTQについてブラジル教区では一番古くから携わってきたコレイア日友師は、その人々とも縁が深く、社会が騒ぎ始める前から理解を持っていたという。み仏のお慈悲からすればいかなる人でも救われるはずであり、佛立宗の教えの深みにはまるほどそれが強く、確信に変わったという。
開導聖人の御教歌「一同に人皆口唱するならば、娑婆はそのまゝ浄土也けり」を引かれ、いかなる差別をも超えた世界が、妙法口唱の中にあることは間違いない。だからといって法律や謗法を犯してでも、御法に疵(きず)を付けてもいいということではない。
大きく変わり始めた社会に対応しながら、肝心の所は決して間違えない、勘違いされないように、「一同に人皆口唱する」この点を最も大事とするところであることを、ブラジル教区で結婚式を挙げた佐々木氏・マリオ氏の話とともに紹介された。
 またブラジルでは決してLGBTQや人種差別反対、また政治等の旗を特別に立てているのではなく、お祖師さまのみ教えのとおり「忍辱の鎧を着て 乃至 一部八巻の肝心妙法五字の旗を指し上げ」させていただくのみで、すべての旗が立つ故に安心して一切の救済活動に携わることができる。
LGBTQでも、またいかなる状況にある人々でも、御題目の御神(おんたましい)からして自分はそれ以上の存在であるということに目覚める大切さ、その世界感、存在感、そして救済力をもたらしてくれる宗教、み仏、上行所伝の御題目に付いていくほかはないという自然な結論に達すると述べられた。