ほんもんぶつりゅうしゅう
2023年01月01日
長島愛生園で高祖会が勤まる 中国布教区第2ブロックから清掃奉仕参詣
11月10日に岡山県にある長島愛生園で松山松風寺ご住職・吉田日景師導師のもと高祖会が奉修されました。例年はとても寒い中での奉修となるのですが、本年は暖かい小春日和の中でのご奉公となりました。
毎年、高祖会は中国布教区第2ブロックがお参詣させていただいており、掃除清掃の後、御供養のお弁当をいただいてから始まります。この時期は落ち葉が非常に多く、準備した大きなゴミ袋が足りないほどで、大量のシカの糞を踏みながらの清掃でした。また本堂も床拭きや椅子の準備などのご奉公があり、奉修導師のご到着までに準備を終えました。
奉修導師の御法門では「人界に示同遊す御師匠 弟子も其気で愚者を助けよ」の御教歌をいただきました。御法門の中で、ご紹介いただいた松山松風寺の壮年会の研修旅行「高祖ご降誕の地に学ぶ・房総半島の旅」でのお話は素晴らしいものでした。
お祖師さまご誕生の地には日蓮宗の誕生寺があるものの、実際の場所は当時の海岸線が水没したため、そこから沖合200メートルの辺りとされています。そこに観光遊覧船をわざわざ停泊してもらい、お祖師さまがご誕生になった場所で、ご信者はもとより一般のお客さんも一緒に上行所伝の妙法をお唱えでき、最高の思い出ができたとのことでした。
お互いに励ましあって身近な人にご信心をお勧めし、お祖師さまがお手本を示されたご弘通教化に頑張って、慶讃ご奉公の有終の美を飾らせていただきましょうとの御法門でした。
ここ長島愛生園はご承知のようにハンセン病患者の療養施設で1930年に発足しました。国が設置した最初の療養所として長島が選ばれた理由は、離島という環境が隔離にもっとも適していると考えられていたためで、1996年に「らい予防法」が廃止されるまで苦難の歴史は続きました。詳しくは11月25日から京都佛立ミュージアムで開催されている「社会福祉と仏教展」で紹介しています。
この長島愛生園にある「佛立講堂」は1人のご信者の呼びかけによって設立され、ハンセン病で苦しむ人々の救いの場となりました。設立から時代も経過し、所属するご信者はあと1人となっています。
弘通局長である山内日得師は毎月、御修行を勤めるために来園しておられ、これまでも多くの教務師がご奉公くださり運営されてきました。
ハンセン病患者に寄り添ってきた佛立宗の社会福祉の歴史を感じるご奉公となりました。