ほんもんぶつりゅうしゅう
2022年12月06日
四国布教区壮年会「高祖ご降誕の地に学ぶ・房総半島の旅」を実施
10月15~16日の2日間、四国布教区の壮年会では「高祖ご降誕の地に学ぶ・房総半島の旅」と題した研修旅行を実施しました。
発端は昨秋、布教区の役員が改選され、壮年会でも令和4年の高祖日蓮大士ご降誕800年ご正当を迎えるに当たり、思い出に残るご奉公を実施したいと考えたことでした。
そもそも、お祖師さまのご信心を学ぶ佛立信者は、本来、お祖師さまのことが大好きで、お祖師さまのために頑張れないといけません。ご命日の御修行参詣や御会式のご奉公、ご年忌等の節目の報恩ご奉公に力が入るのも、原動力は敬愛するお祖師さまへの「思い」です。
ご遺跡巡りは、そんなお祖師さまへの思いを育てる良い機会ですが、四国のご信者は残念ながら、関東方面のご霊跡を訪ねるチャンスが少ない現実があります。そこで提案したところ、壮年会の役員各位の賛同を得て具体化しました。
実施にあたっては、千葉県の房総布教区が「全面協力する」と言ってくださり、唱題寺のマイクロバスを2日間提供いただいて、佐藤堅隆布教区長自らハンドルを握って案内くださるという万全のサポートも得ました。お陰で20名の参加者と共に、良い研修ができたことを喜んでいます。
お祖師さまが「日蓮、仏勅を蒙りて此土に生まれけるこそ…」と仰せになり、法華経に登場する上行菩薩が本仏のご命で末法にご降誕された場所は房総半島の太平洋側、現在の千葉県鴨川市にあたります。
当日は四国の各空港から羽田空港に集合し、まずは東京湾アクアライン経由で現地に近い館山市の廣全寺にご参詣。一座の口唱のあと、柏日胤御導師のご供養を頂戴して、小松原法難の旧跡(鏡忍寺)とご幼少の頃に学問をされた清澄寺、御題目のご弘通の立教開宗を宣言された旭が森等を散策し、お祖師さまがご活躍された800年の昔に思いを馳せて、いにしえの空気を感じました。
2日目の日曜はいよいよご降誕の地への参詣です。ここで報恩の口唱を捧げるのが今回の最大の目的でしたが、同地には日蓮宗の誕生寺があるものの、実際の場所は当時の海岸線が水没したため、そこから沖合200メートルの辺りとされます。そこで浜からの口唱よりも、観光の遊覧船に協力を願おうと、前日に電話を入れて了解を得ました。
ところが、当日は個人の乗船客が意外と多く、船頭さんも「一般の方が多いので、途中でガイドのテープを止めてお参りするのは…」と渋ります。「短い時間で結構なので、何とかお願いします」と交渉していると、遊覧船の責任者が来られて話を聞いてくださり「分かりました。お参りの時間を含むなら早く出ましょう」と出航時間を早め、私たち以外のお客さんにも説明をしてくださいました。
曇天の予報でしたが青空が広がり、船は沖に進みます。波は意外と大きく、瀬戸内との違いを感じました。間もなく船頭さんから、「船を停めます。お参りしてください」と声が掛かって甲板に上がり、1座のお看経をあげました。上行菩薩ご降誕の地で上行所伝の妙法を皆で唱えた感動は、一般のお客さんも合掌して一緒に拝んでくれたと聞いて倍増し、最高の思い出ができたと歓び合いました。
節目となる記念の年に、参加者それぞれが人生の大きな思い出を刻むことができた有難い研修旅行でした。