ほんもんぶつりゅうしゅう

信厚寺


2017-05-07 09:50

事行山録5月 「子供の日」考

 ご承知の通り、五月と言えば「子供の日」があります。所がこの「子供の日」なるもの、或る本には「母への感謝をする日」であったといわれています。この日の事に就いて、私か参考にしたこの本では、今少し細かく書かれています。これによりますと、その由来をアメリカの故事からと説明をしています。その故事とは。
 アメリカの女性が「母の命日」に当たり、胸に白いカーネーションをつけて「母を偲び感謝の意を表した」という事から、時の米国政府が「五月の第二日曜日を母の日」と決めたそうです。日本の暦呼びで言い換えますと、大正三年(一九四九)の事だそうです。その様な事が米国では政府が絡んで定着してきたようです。日本では、昭和二十四年に五月の第二週を「児童福祉週間」と定め、その週の第一日目を「母の日」としてお祝をする様になったと言われています。なお現在は、六月第三日曜日を父の日と定めてもいます。続いて昭和二十六
年五月五日、日本国憲法の精神に従い『児童憲章』が制定されました。「子供の日は決められ、法律的にも子供の人権を守り、幸福を図る」事を訴えていますので、大人はきっちりそれを守り、子供を育てると言う『児童憲章』の精神をを受け止める事が大切です。今世界では多くの子供が悲惨な生き方を強いられたり、子供なのに大人のエゴで命を落としている現実は反省しなければいけないと思いますが、小さな力では如何ともしようが無い状況だと思います。
 ところで、世間には「親の恩は子に返す」とそれはそれとして、御信心活動の中に於て「法の子言う言葉もありますが、子供が親から頂いた恩は返し切れないと言う事もあっての「子に返す」と言う言葉になっているのでしょうか。こうした点から考えると「子供の日」も中々深い思索を提供してくれると思います。
 「子供は自分の来世」
 日本人ばかりではありませんが、私達は昔から子供を大切にしています。古い歌に「金銀はすばらしいものではあるけれど、子供に勝る宝はない」と歌っています。
 今、日本は出生率が下がっているそうですが、随分昔から「人口が逆三角形になっている状況は、将来が危ない」と言われています。しかし日本は今、その危ない格好になりつつあります。どうしたら子育てが安心してできる様になるのでしょうか。これからどうなるのでしょうか。ただお金さえ出せば子供が増えるとばかりは言えないかもしれません。それだけで子供を産まないなどと言う事ではないのかもしれないからです。
 「法の子を産んで・・」
 さて「法の子持ちになる事」を忘れてはいけません。この子を産む事に心を使わないと、宗門、寺院の将来が危ない事は言を待ちません。何か危ないのかは皆さん考えて見て下さい。この子は、男でも産めるのですし、最低一年に一人は産んで頂きたいのです。人口が減じて行く国の将来は危ないと言われます。宗門・寺門の将来もこれと同じ事が言えます。世間の子供の日にちなんで皆さんも「法の子供を産む信心」を興して下さい。
 参考文献・所功氏著「日本の祝祭日」