ほんもんぶつりゅうしゅう

2018-12-01 19:14

清現寺通信 12月号 №450 平成30年12月1日

450 平成3012月1日

清現寺通信 12月号

「日蓮が義を助ける 高祖ご降誕(六) 信良」

お祖師さまが竜口ご法難の後、佐渡ヶ島に流罪になられたのは、御歳五十歳から五十三歳までの足かけ三年間でした。極限のご苦難の中でも、開目抄・勧心本尊抄・如説修行抄等の最重要御書をお認めになり、大御本尊を書き顕され、本化上行菩薩後身の信心を確立されていかれます。

 そんな厳しい日々の中、佐渡国在住の阿仏房・千日尼夫婦が教化になり、お祖師さまを献身的に外護されたことで命を繋がれたことを、お祖師様は最上級の言葉を以て示されています。曰く、

「阿仏房にひつをしをわせ、夜中に度々御わたりありし事、いつの世にかわすらむ。ただ悲母の佐渡の国に生れかわりてあるか」

と、お祖師様のお母様が佐渡の国に生まれ変わって、日蓮を助けて下さるのであろうか。

 曰く、

「日蓮が義を助け給ふこと、不思議に覚え候ぞ」

 「日蓮が義を助ける」お祖師さまのご弘通ご奉公を助ける。お祖師さまと一体になってご奉公させていただく信者、このように云われることは、名誉この上もありません。

 また、佐渡を離れられる時には、

「佐渡はつら(痛)かりし国なれども、そり(剃り)たる髪を後ろへ引かれ、進む足もかへりぞかし」

と、うしろ髪を引かれる思いだ、と仰せられる程、阿仏房・千日尼夫婦の信心に心を寄せられています。

 又、佐渡から身延へ入山されたお祖師さまをお慕いして、阿仏房は老の身をもって三度までも、しかも三度目は九十歳で佐渡から身延を訪ねておられます。二十日間もの命がけでの徒歩の旅です。それに対し、

「浄行菩薩(本化の四菩薩のお一人)の生れかわり給ひてや、日蓮を御とぶらひ給ふか」

と、本化の菩薩が生まれ変わって、日蓮を訪れて下さるのであろうか、と感動の言葉を記されます。

 お互いも「日蓮が義を助ける」信者とならせていただきたいものです。

 御教歌

  折伏をする人ならば吾祖師の

   乗り移ります御弟子也けり