ほんもんぶつりゅうしゅう

2020-07-16 10:45

7月16日の隆宣寺日記

「上求菩提(じょうぐぼだい)」「下化衆生(げけしゅじょう)」という教えがあります。
「上求菩提(じょうぐぼだい)」とは、上を目指して、自分自身が努力精進すること。「下化衆生(げけしゅじょう)」とは、下に目をやり、みんなに教え、育成すること。この2つが1つのサイクルとなって、みんなも自分も共に高まっていくことができます。
 
いわば、自分一人の修行で、自分一人だけが救われるということではなく、修行を通じて得たものを、人々にも伝え救おうとすることで、更に自分も高まっていける。もちろん、救ってもらった人も自ら努力精進するようになり、更に他の人に伝え救おうとする。これこそ世の中が良くなっていく究極のサイクル、これが仏教的思考、仏教的生き方です。
 
誰しも、最初は何も知らないし、何もできません。でも、それが少しずつわかるようになり、できるようになったということは、誰かが教えてくれたから、誰から指導してくれたからです。そして、その教えてくれた人、指導してくれた人もまた、人に教える、指導することを通じて、更に成長することができます。
 
そう思えば、少しわかるようになったからと言って、それで全てがわかったかのように思ってしまうのは大きな間違いですし、ましてや「自分はみんなよりもわかってる」「みんなは何もわかってない」というような思い違いをするのは実に情けなく、勿体ないことです。
 
人は、たった一人で成長することはできません。自分の間違いにすら気づけないこともあります。だからこそ、自分自身が常に1つ上を目指して努力精進すると共に、常に目線を下へ向けて、自分から伝えられることを人に伝え続けていく。それが自他共に幸せになっていける人生の歩み方なのです。
 
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