ほんもんぶつりゅうしゅう

2020-10-26 12:14

10月26日の隆宣寺日記

偉そうな態度を取ったり、自分は古株だという雰囲気を出したり。そういう強気な姿勢で、自身の優位性を相手に示そうとする人もありますが。どちらかと言うと、そんなことを、あえてやろうとする人は少ないと思います。特に、人に教える立場にある人は、そうならないように気を遣っているものです。しかし、こちらがどんなに気をつけていても、相手から見て「偉そうな態度だ」「古株の雰囲気を出してる」と受け止められてしまっては【近寄りがたい存在】というレッテルを貼られてしまうことになります。このままではコチラの努力も実らず、不本意ながら教育の成果はあまり期待できません。
 
そもそも、人に教える立場の人、人を育てる立場の人というのは、相手より知識、経験、技術が上回っているのは当然のこと、大前提です。むしろ、そうであるからこそ教える立場、育てる立場なのであると言えます。つまり、これは自分のつとめであり、使命であると言っても過言ではありません。そう思えば、相手に対して「教えてあげる」「育ててやる」という姿勢ではなく、「教わってもらう」「育ってもらう」という姿勢であるべきことがわかってきます。この意識が根底にあればこそ、自然と相手を敬えたり、寛容になれたりするものです。そうでなければ「偉そうな態度」「古株の雰囲気」を完全に無くすことはできないでしょう。
 
今、世の中では「人材不足」が問題となっています。一応「人手」はあるけれど、その割に仕事が進まない、ノルマが達成できない。つまり、必要な知識、経験、技術を備えた「人材」が足りないのです。これは、どの分野、どの世界でも死活問題となりつつあります。そういう中にあって、効率の良い「教育」「育成」が必須かつ急務となっています。今、プレイヤーとして動いている世代が、しっかりと意識改革することによって、現場を担うプレイヤーとしてだけでなく、人材を作るコーチとしても活躍しないといけません。ここが、これから先20年、30年の運命を大きく分けるポイントだと言えます。
 
自分が引退したら「あとのことは知らない」というのでは、あまりにも無責任です。自分自身も教えてもらい、育ててもらって、ここまでやれるようになってきました。一人前になるまでの間、沢山の人に支えられ、責任を取ってもらってきました。その恩返しは、今度は自分が教え、育てて一人でも多くの人材をつくり、残すことです。教える時、育てる時に重要なのは、相手を自分と同じ「プレイヤー」として見ないこと。自分は「教える立場」であること「コーチ」であることを必ず意識して接するようにしましょう。たとえ一流のプレイヤーでも、コーチとしては二流、三流ということは、よくあること。どこまでも低姿勢を貫き、辛抱強く、相手が「育つ」まで教え続ける、それがコーチのあるべき姿です。
 
 ☆朝参詣御法門《1回目》は【ここをクリック】(YouTube)
 ☆朝参詣御法門《2回目》は【ここをクリック】(YouTube)