ほんもんぶつりゅうしゅう

2021-03-16 15:43

3月16日の「毎日ぶっきょう」

お坊さんであれば書道を習っている、筆で字をキレイに書く、というイメージがあるかもしれません。確かに、そういう方々もいらっしゃいますが、残念ながら私はそれに該当しないお坊さんです。自分なりに勉強したり、練習したりしていた時期もありますが、今は全くの手付かずの状態。それどころか『5秒で仏教』を始めたことによって「独特な味のある字ですね〜」と言われるようになり、中には「この字と絵が大好きなんです〜♪」と言ってくださる方々までいらっしゃっる状態です。

 

それはそれで、とても有難いことですし、好き嫌いという基準で判断するなら何も問題ありません。ただ、私の字が「上手なのか?」という話になると、これは全く別の話になってくると思います。恐らく、あんな字で作品を書いたとしても、プロの方々からすれば直すところばかりの作品です。一言でいえば「全くなってない!」で、それは私自身も大いに自覚をしています。なぜなら、私は少しもお手本を見ないで、基礎練習もやらないで、全て我流でやってきたからです。

 

一般に「型破り」というのは、師匠から教えてもらった《型》を一通りマスターした人が、自らの鍛錬の中で《型》を破っていくので、それを「型破り」ということができるのです。もし、少しも《型》を学ばず、たとえ学んだとしても中途半端なままで《型》を破り始めたら、それは《型》が崩れているだけであり、もはや「型無し」「形無し」の状態です。なので、そういう意味において『5秒で仏教』は型無しによって生まれた作品といえます。

 

そんな訳で、お坊さんとしてキチンと筆で字を書く場面では、大いに苦労しているのが現状です。そう思うと、やはり師匠や先生のもとで、きちんとお手本の通りに練習を積み重ねることが大切。そういう地道な鍛錬こそ何かを成し遂げる最短距離であり、最も確実な手段方法であると言えます。少し上手になり始めた頃が一番勘違いをしやすい時期ですから、そんな時こそ初心忘るべからず。どこまでも師匠や先生を追いかけ続けるつもりで取り組んでこそ、マスターすることができるのです。

 

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